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第三者割当増資


第三者割当増資とは

結論をいいます。

「第三者割当増資は、1株利益を減らすため、あなたに不利です。」

あなたがA社の株を持っています。1株当り利益は100円です。

それがある日突然、1株あたり利益63円に減少したら・・・

そんなことが現実に起こるのが株式市場の怖いところ。 その実例を紹介しましょう。
2007年5月2日 タスコシステム(2709)は、「第三者割当による新株式発行」を発表しました。

「新株式発行」とは、新たに株式を発行すること。
第三者割当というのは、不特定多数を相手にするのではなく、特定の者を対象にするということです。
つまり、第三者割当による新株式発行とは、特定の者に対して新たに株式を発行するということなのです。

株を発行するくらいいいじゃないか?

いえいえ、そうではないのです。
株を新たに発行するということは、株式数が増えるということです。
株式数が増えれば、1株当り利益が減少するのです。そう、あなたの1株当り利益が減少するのです。
このことを「希薄化(きはくか)」と言います。 1株当り利益が薄まるということです。
新たに株を発行することが、既存の株主にとって不利なことが分かっていただけましたか?

 

ただ、新たに発行する株式数が少なければ、影響は少ないです。例えば、既に 100万株発行している会社が、追加で 1万株発行したとします。今までの 1株当り利益が100 円であれば、新株式発行後の 1株あたり利益は100 ÷101=99円となり、 1円減るだけです。

ところが、タスコシステムは違いました。既に 29万株発行しているところ、追加で 16万株も発行したのです。株式数は一気に 1.55倍にまで膨らみます。結果として、 1株当り利益は、仮に100円あったとすれば 63円にまで減少したのです。しかも、既存株主に断りなく、取締役会の決定で行われたのです。

ここからが最も大切なところです。どうすれば、このような事態を避けることができるのでしょうか?

新株式発行の目的を考えてみてください。新株式を発行することで、企業の外部から資金を得ること、つまり資金調達がその目的です。つまり、その企業は資金不足に悩んでいるということです。
タスコシステムの場合は、本業が赤字で、借入も多く、資金不足に悩んでいたのです。
逆に考えると、本業が黒字で借り入れが少なく、資金が余っている会社に絞って株式投資をすればよいのです。

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