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『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』


 

日根野:今回は、『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』を紹介するね。
著者のジェームズ・コリンズは、アメリカの上場企業のなかで、良い企業から偉大な企業へと飛躍した企業を見つけ、その共通点を調査したんだ。

 

偉大な企業へと飛躍した企業

ほたる:偉大な企業って何なんでしょうか?

 

日根野:株価パフォーマンスを基準に判断しているんだ。
投資家にとっては、願ってもない題材だ。
ある転換点までは普通の株価パフォーマンスだったのに、
転換点を境に向こう15年、株価パフォーマンスが大きく
飛躍した企業を、良い企業から偉大な企業に転換した企業
として、丹念な調査をした結果が、本書。

 

ほたる:この本をマスターすれば、転換点にさしかかった企業を見極めて投資し、
大きな投資リターンを期待できる、ということですね。

 

経営者が第5水準のリーダーシップを発揮している

日根野:本書のポイントを見ていこう。
良い企業から偉大な企業に転換した企業は、
1.経営者が第5水準のリーダーシップを発揮している

 

ほたる:第5水準のリーダーシップとは、なんですか?

 

日根野:個人としての謙虚さと、職業人としての意思の強さ、という矛盾した性格の組み合わせによって、偉大さを持続できる企業を作り上げるリーダーシップのことなんだ。

 

ほたる:「オレがオレが」といって、自分の功績を自慢したり、不必要にメディアなどで目立つような姿勢ではなく、個人としては謙虚で目立たない、ということですね。

 

日根野:不必要に目立つ経営者って、いるよね(笑)
偉大な企業へと飛躍するときには、むしろ功績を「幸運のおかげ」と言えるような謙虚さが必要なのだそうだ。
職業人としての意思の強さは、偉大な企業を作るという大きな目標に対して、忍耐強い意思で取り組むことができる、ということ。

 

ほたる:どちらかというと、それほど目立たないけど、目的意識がとても強い社長さんが良い、ということですね。

 

(1)自社が世界1になり、(2)CFを効率的に生み出し、(3)情熱をもって取り組める事業に絞り込む

日根野:もう1つ、ポイントを紹介しよう。
2.(1)自社が世界1になり、(2)CFを効率的に生み出し、(3)情熱をもって取り組める事業に絞り込む。

 

ほたる:集中せよ、ということですね?

 

日根野:そう。
まず、(1)自社が世界1になれる事業に絞り込む、ということ。経営学では、その企業のコアコンピダンスは何か?ということがよく話題になるけれど、それよりも世界1になれる、という基準が明確だ。
次に、(2)キャッシュフローや利益に最大の影響を与えるボトルネックを選び、KPIとして設定している、ということ。

 

ほたる:難しいです~

 

日根野:例えば、「来客1人当たり利益」とか「従業員1人当たり利益」など、効率的にCFを生む出すのに貢献する要因を発見し、そこにフォーカスしてキャッシュフローを生み出す。ということなんだ。

 

ほたる:シンプルでわかりやすい指標1つに絞り込んで、みんながその改善に集中する、ということかなあ。

 

日根野:(3)自分たちが情熱を燃やせることだけに取り組む方針を取る、ということ。

 

ほたる:みんなが夢中になる事業だけをやろう!ですね。
楽しそうです。

 

日根野:400ページにもなる著作なので、ごく一部しか紹介できなかったけれど、株式市場で長期にわたり優れたパフォーマンスを発揮する企業は、時代の流行を行くような事業ではなく、カリスマ経営者が率いているわけでもない。というのは、とても興味深い調査結果だったよ。

 

ほたる:分厚い本だけど、読んでみようかな~、と思いました。

 

日根野:こういった書籍にも、株式投資のヒントが含まれているよ。
ぜひ読んでみて♪ より多面的に株式投資を楽しもう。

 

 

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