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バリュートレンド

『バフェットからの手紙』


 ローレンスAカニンガム。2000年1月

バフェットが自ら経営する会社バークシャー・ハサウェイの株主に宛てて書いた手紙この書籍です。

ちょっと難解ですが、

バフェットがバークシャーの株主に向けて

バフェットが自ら経営する会社バークシャー・ハサウェイの株主に宛てて、バフェットが書いた手紙(過去何十年分も)の中から、良いところ取りをしたのがこの書籍です。

『銘柄選択術』に比べると具体的な手法に関する既述はほとんどありません。むしろ、コーポレートガバナンスの在り方などに対する考え方が中心になっています。

経営者の資質をどのように見るか?
企業が行うべき事業をどのように見極めればよいか?
資本政策はどのように考えればよいか?
等々、企業を質的な面から見極めるための着眼点が身につけられます。

 

パーシャルオーナーという考え方

【本文より紹介】

マンガーも私も、みなさんには次のような考え方をしていただきたくありません。つまり、自分は価格が日々小刻みに変動する紙切れを保有しているにすぎず、経済的な、あるいは政治的な不安をもたらすような問題が起きれば、株を売却してしまおうという考えです。そうではなく、例えば、農地やマンションを家族と共同で所有する場合のように、無期限で付き合っていこうと考える企業を部分的に所有しているのだという、明確なイメージを持っていただきたいのです。私たちとしてはバークシャーの株主を、入れ替わりが激しい集団のなかの顔のない人々としてではなく、自分たちの資金を私たちに委ね、残りの人生を通じてその結果を見守ってくれている共同投資家であると思っています。
 (中略)

例えば、バークシャーはコカ・コーラやジレットの株主ですが、私たちはこの卓抜した両社を支配を伴わないパートナーとして認識しており、その投資に関する成功は、毎月の株価の変動ではなく、長期的な成長によって測っています。実際、もしこれらの企業の株式に関して、数年にわたり一切売買がなされなくても、あるいは価格の値付けがなくとも、私たちはまったく気にかけないでしょう。好ましい長期的な展望があれば、短期的な株価変動はそれが魅力的な価格で保有高を増やせる機会であるということ以外に、私たちにとっては意味のないものなのです。

 

1株当たりの成長率を重視

【本文より紹介】

私たちの長期的な財政上の目的は、バークシャー株の内在価値の1株当たり平均年間収益率を最大限に高めることにあります。私たちはバークシャーの経済的重要性やパフォーマンスを、企業規模ではなく1株当たりの成長率で測っています。
(中略)

私たちが目標を達成するにあたって好ましく思う状態は、多業種にわたる企業を直接的に所有し、それらが現金を生み出し、かつあまねく平均以上の対資本利益率をもたらすことです。

 

アクションラーニングからひとこと

コーポレートガバナンス。
難しく聞こえますが、ポイントは、「会社は誰のためのものか?」
そして、「どのように統治すれば、最大のパフォーマンスを発揮するか?」
についての考え方のことです。

資本主義的な模範解答は、「会社は株主のものであり、取締役が英知を結集して戦略を立案・実行し、監査役がそれを監視する」ことで会社は最大のパフォーマンスを発揮するといえます。

このようなコーポレートガバナンスの在り方について、深い洞察を示しているのが、『バフェットからの手紙』です。

 

アクションラーニングは、会社は株主のものだけでなく、従業員や地域の人のものでもある、と考えています。

 

 

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