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流通株式(時価総額)


流通株式とは?

流通株式とは、上場株式から、以下の株式を除いたものです。
(1) 役員が所有する株式
 ※ここでいう役員とは、取締役、会計参与、監査役及び委員会設置会社の場合の執行役とし、役員持株会も含む。
  執行役員制度を採用している会社の取締役でない執行役員は含まない。
(2) 自己株式
(3) 上場株式数の10%以上を所有する者が所有する株式

これら(1)(2)(3)は、流通性が乏しいため、流通株式から除きます。

 

10%以上を所有する者が所有する株式のうち、「流通株式」として認められる主なもの

ただし、(3) 上場株式数の10%以上を所有する者が所有する株式のなかでも、流通性のあるものは例外的に流通株式として認められます。
例えば下記のものになります。
・投資信託又は年金信託に組み入れられている株式
・その他投資一任契約等に基づき投資として運用することを目的とする信託に組入れられている株式
・証券金融会社又は金融商品取引業者所有株式のうち信用取引に係る株式

 

流通株式時価総額とは?

流通株式時価総額
=(事業年度末日の最終価格)
 ×(事業年度末日における流通株式数)

と算出されます。

 

流通株式比率とは?

流通株式比率とは、上場会社の事業年度の末日における流通株式の数の上場株券等の数に占める割合をいいます。

流通株式比率 = 流通株式数 ÷ 上場株式数 × 100

※上場株式数には自己株式数を含みます。

 

流通株式数、流通株式時価総額、流通株式比率は、指定替えや上場廃止の基準とされる

流通株式数や流通株式数時価総額、流通株式比率は、
東京証券取引所が、
市場第一部から市場第二部への指定替えや上場廃止基準の基準として使っています。
https://www.jpx.co.jp/equities/listing/delisting/index.html

例えば東証1部、2部であれば、流通株式時価総額が5億円未満になると上場廃止基準に抵触します(猶予期間が1年あります)。

なお、時価総額については、流通株式時価総額だけでなく、通常の全株ベースの時価総額についても上場廃止基準が定められています。
子会社上場の場合や経営再建中でスポンサーの持ち分が多い場合は、通常の時価総額の基準はクリアしていても、流通株式時価総額の基準に抵触する場合があります。

 

浮動株との違いは?

TOPIXを算出する際に使用されるのは、浮動株です。
浮動株は、市場で流通する可能性が高い株式を意味します。
TOPIXのような時価総額加重型の株価指数では、市場で流通しない株式数が時価総額に含まれてしまうと、バランスが悪くなってしまいます。

流通株式と浮動株は、概念としては類似しており、いずれも取引実態に近い時価総額を把握しようとしてます。
しかし、使われる局面は異なり、定義も若干異なります。

浮動株は、指数(TOPIX)算出に使われ、算出者にある程度の裁量があります。
流通株式は、上場審査基準・上場廃止基準に使われるので厳格に定められています。

 

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