大株主の財団法人
大株主に財団法人のいる上場企業があります。
このような財団法人の理事長は、上場企業の会長や親族が勤めている場合が散見されます。
設立の経緯が、上場企業の創業者一族がその保有する株を財団法人に寄附する形で始まることが多いため、
自然と理事長や理事などの役員に創業者一族が含まれることになります。
配当金を主な原資として公共性の高い事業を行っていることが多いです。
財団法人には「一般財団法人」と「公益財団法人」がありますが、
「公益財団法人」は、特に公益性の高い事業を行っています。
上場企業にとっては、安定株主としての役割があります。
創業者一族にとっては、一定の影響力を残す目的と、相続対策としての狙いがあります。
上場企業の株式を個人で保有していると、相続などにより次第に分散していくことになります。創業者の次の世代、また次の世代と進むに従って、相続により株式が分散し、創業者一族の影響力が薄くなってしまいます。
しかし、財団法人が保有し、その理事長や理事に創業者一族が代々就任していけば、創業者の影響力を残し、想いを伝承することができます。
また、公益法人等に対する寄附は、一定の要件のもと税制上の優遇措置があるため(寄附者である創業者一族は、いったん株式を売却した代金を寄附すると考えられるため、譲渡所得が発生する。これが非課税とされる。)、節税にもなります。