長期投資家のためのIR情報
バリュートレンド

製造業(輸送用機器業界)


製造業とは?

製造業とは、原材料を加工して製作した製品を取引先や顧客に提供する産業界のことをいいます。

 

製造業への投資のポイントは?

 

製造業への投資のポイントは、まず海外に10%以上の売上があることです。

これは、人口が減少している国内に留まらず、海外でも頑張ってることを意味します。

 

2つ目は世界で戦ってることを前提として、できたら世界の巨大市場の中でトップ10ぐらいに入っている、あるいは、世界の中でニッチなところで高シェアを取っている、このどちらかです。

 

3つ目は自己資本比率が40%程度あるということです。どの業界でも自己資本比率は高いほうがいいですが、製造業の場合は、特に自己資本比率が高いということが大事になってきます。

資本比率が高いということは、倒産しにくいということを意味しています。

製造業の多くは景気循環の影響を受けやすいビジネスです。ということは、リーマンショックのようなことがもしもあれば、突然売上がストップということが起こり得ます。

景気循環の影響を受けやすいので、万が一のときに倒産しにくいように自己資本比率をよく見ておきましょう。

 

下のグラフは輸送用機器業界を代表するトヨタ自動車【7203】のバリュートレンドです。

toyota vt.bmp (2.07 MB)

オレンジ色の部分は、要はトヨタ自動車の利益です。

利益に一定の係数を掛けて、大体適正な株価、1株価値を計算したものが、このオレンジ色の棒グラフになります。

これは1980年頃からの推移を示しています。

青色、紺色の線は、これは株価です。

データは途中からしか入ってないですが、赤色の線は売上です。

真ん中にある赤の線は、後述しますが、利益の平均線です。

 

このトヨタ自動車のオレンジ色の利益のグラフを見てみると、凸凹していることがわかります。

つまり、景気循環の影響を受けてるということです。特にリーマンショックのときがひどいです。でもその後の回復度合いもすごいです。

ただ、長期的に見れば、右肩上がりです。

目をつぶって世界に思いをはせてみます。世界で自動車の需要は増えてます。世界で人口が増える、中間所得の中間層が増えていく、今まで自転車でうろうろしてた人たちがバイクに乗り、バイクじゃなくて車に乗り、家族と出掛けることができるようになる、そんな世界のイメージが湧いてきます。

道路が今まではガタガタだったのに舗装されてくる、車が走りやすくなる、車が増える。

長期で見れば、トヨタ自動車はおそらくまだまだ右肩上がりで業績が伸びていく。

業績が伸びていく企業に投資したい。

しかし、製造業は景気循環の影響を受けて業績自体が変動する。

これが製造業の企業に対する投資の最も難しいところです。

 

トヨタに投資するとして、今から過去を振り返って「あの頃こうしていたら良かった」みたいなことを考えてみます。

 

トヨタ自動車は2007年頃に過去最高益を上げました。

業績は抜群、株価もどんどん上がっていました。

投資したくなってきます。

しかし、今から考えるとこの時期に買わなくて良かったのです。

これは普通の常識と反します。過去最高益で絶好調のとき、株価もぐんぐん上がってる、そんなときに買わないほうが良かった。

 

もう一例考えてみます。

長期で見れば業績が上がっていますが、「リーマンショックで赤字になってしまった、その後どうするんだ」と、「苦しいトヨタ、リストラ、どんどんコスト削減」という時期がありました。

今から思えばですけど、この時期に買えば良かったのです。

これも普通の常識と反します。「トヨタ大赤字。この先どうするんだ」って言ってるときが、実は買いだったのです。

 

つまり、製造業に代表される景気循環株は、買いどきと売りどきの判断が得てして逆になるということです。

逆になるというだけだったら曖昧なので、要は利益について平均線(上記グラフの赤い線)を引いて、その平均線よりも株価が上に行ってるときは割高、株価が下に行ってるときは割安と考えたほうが、投資の判断が結果的に適切になるだろうと考えます。

 

なので、製造業は、1年1年の利益に注目するのではなく、10年平均ぐらいの利益水準に注目しましょうということです。

「今年最高益だったから製造業の会社の株を買おう」、これは良くないことです。

なので、1株価値はおおむね10期平均ぐらいで見ていきましょうということです。

これはとても大事です。

製造業の会社が過去最高益のときに買うと大抵失敗します。

toyota rieki.bmp (2.19 MB)

 

ただ、繰り返しになりますが、トヨタは長期で見ればすごい右肩上がりのマーケットで戦っています。

しかも、その中で世界1位とか2位です。

だから、基本的にトヨタに対する投資というのは、賢い戦略だと思います。

ただ、タイミングが難しい。

投資のタイミングを間違えると失敗します。

 

もう1つ、ここからは違う話です。

今、製造業のA社を投資対象として考えています。製造業というのは、得意先の会社があります。ここに商品、製品を販売します。仕入先から材料や部品を買って、それを加工して、あるいは組み立てて、そして製品を作って販売しています。

製造業の特徴はまさにここで、材料とか部品、言い換えれば在庫というものが存在するということです。これが非常に特徴的です。しかも、得てしてこの在庫は賞味期限みたいなものがない、あるいはとても長いということです。

製造業の会社は、最終的には得意先に商品を売ります。組み立てる会社、そこに原材料を供給する会社、そこにさらに材料、部品を供給する会社というように、何重にも何層にもなっています。

 

材料や部品を供給する会社を川上、組み立てる会社を川下とします。

景気が良くなったとき、悪くなったときに影響が業績に特に出やすいのは、川上の企業です。

実際には業界によっても差があるでしょうが、一般的に川上の企業のほうが良いときはドンと伸びて、悪いときはドンと悪くなるという傾向にあります。

 

まとめ

まとめますと、

製造業への投資のポイントとしては、

海外売上が10%ぐらいある企業。

世界シェアが高いところかニッチトップな企業。

景気循環の影響を受けて業績が変動するので、自己資本比率が高いほうが良い、できれば40%以上。

景気で業績変動するので、1株価値は10期平均ぐらいで見る。

製造業の特徴として在庫があるので、川上企業ほどリスクが高い。

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