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立会外取引


立会外取引とは?

立会外取引(時間外取引)とは、市場で売買可能な通常の時間帯(9:00-11:30、12:30~15:00)を除いた時間帯に証券取引所内でおこなわれる取引のことをいいます。

立会時間終了後に企業が発表した決算情報や業績予想の修正等を材料として、立会外取引で株式売買されることになります。

取引をする当事者間で価格や数量を決めて売買取引を成立させることができるので、
機関投資家をはじめとする大口投資家が市場に大きく影響を与えそうな大口取引をおこなう際に、
市場の安定化を図るため利用されます。

立会外取引には主として、立会外分売とToSTNetによる立会外取引があります。
立会外分売は主に、大株主の保有株式の一般投資家への分散を円滑に行うことにあり、
ToSTNeTは機関投資家による大口取引やバスケット取引の円滑な執行が制度の趣旨・目的と言えます。

 

立会外分売とは?

金融商品取引所の取引時間外(=立会外)で、ある株主からの大量の売り注文を小口に分けて、
不特定多数に売り出す売買方法のことをいいます。

具体的には、まず証券会社が、創業者・金融機関など特定の株主などから
分売により執行することを条件とする大量の売り注文を受託します。
そして分売を執行する場合、金融商品取引所にあらかじめ届出をおこなったうえ、
売買立会終了後に分売の条件を発表し、翌朝に買付けの申込みを受け、
金融商品取引所の立会時間開始前に売買を成立させることとなります。

なお分売は届出日(分売実施日の前営業日)の最終値段を基準にした固定値段でおこなわれます。

 

ToSTNetTの制度の詳細

時間外取引のうち、東京証券取引所で行われる電子取引ネットワークシステムをToSTNetといいます。
(名古屋証券取引所はN-NET)

 

ToSTNeT(Tokyo Stock Trading Network System)では、以下の4種類の取引を行うことができます。
(1)単一銘柄取引
(2)バスケット取引
(3)終値取引
(4)自己株式立会外買付取引

(1)単一銘柄取引(ToSTNeT-1)
立会市場の直近値から上下7%以内の価格で相手方を指定した取引ができます。
相手方取引参加者・銘柄・数量等を指定し、呼値が合致すると同時に約定となります。
同一参加者間のクロス取引では、当該呼値で即時約定となります。
大口取引等の立会市場での円滑な執行が困難な取引をToSTNeT市場において行うことにより、
立会市場へのインパクトを抑えることができます。
最低単位から売買が可能です。
⇒グループ間で株の移動を行う場合や特定の株主から株の譲渡を受ける場合等に行われます。

(2)バスケット取引(ToSTNeT-1)
構成銘柄の立会市場の直近値で算出する基準代金の上下5%以内の価格で相手方を指定した取引ができます。
相手方取引参加者・銘柄・数量等を指定し、呼値が合致すると同時に約定となります。
同一参加者間のクロス取引では、当該呼値で即時約定となります。
15銘柄以上かつ売買代金1億円以上から売買が可能です。
⇒通常の売買よりも手数料が安くなるため、機関投資家が銘柄の入れ替えを行う場合に利用されることが多い。

(3)終値取引(ToSTNeT-2)
立会市場での終値又はVWAPを確認してから取引に参加できるほか、
ポートフォリオのリバランスなどにおいて、バスケット取引の基準に満たない少数銘柄のバスケット注文についても、
終値等で取引が可能です。また、立会市場で執行できなかった場合においても、
ToSTNeT市場を利用することが可能です。

(4)自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)
買方を発行会社に限定した自己株式取得専用の取引です。
終値取引では完全時間優先で売買が成立するのに対し、
買付数量に相当する売付数量を当取引所が定める配分方法をもって配分します。

 

ToSTNeTへの個人投資家の参加

ToSTNeTへは、通常の時間内取引と同様、一定の条件を満たした証券会社が参加することができます。
ただし、一般的には個人投資家が証券会社を介してToSNeT
で売買を成立させるのは困難です。
立会外取引に類似したものとしては、マネックス証券の「マネックスナイター」があります。
これはマネックス証券が、独自に私設の夜間取引市場を開催している形になり、
株の売買はマネックス証券が提示した価格でのみ行うことができます。
といっても大抵の場合、株価は日中の終値での売買となります。
そしてマネックス証券側は、実際に証券取引所が開いた時に、マネックスナイターで扱った株式を売買することになります。

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