【5074】テスホールディングス
再生可能エネルギー発電所の開発・売電、小売電気事業など
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TESSグループ 中期経営計画(2025-2030)
テスホールディングス株式会社代表取締役社長の山本一樹です。
当社の中期経営計画について説明します。
当社は、この度初めて中期経営計画を策定しました。タイトルは「TX2030」です。私どもは今が当社の事業の転換期だと思っています。従いまして、このTXという意味合いは「テストランスフォーメーション2030」で、この転換期を経て、中期的にどのように成長していくかをこれから皆様にご説明したいと思います。
こちらはまとめですが、2030年に向けてどのように成長していくか、まずは既存事業を拡大しつつ新しい注力分野に成長と投資と経営リソースを集中することです。当社は売上利益を重視していますので、この目標に関しては、2030年に向けて売上総利益で215億円、利益は約3倍、営業利益は134億円で、2024年6月期に比べて約6倍、ROEは11%、ROICは5.6%を目指しています。
当社は、創業以来一貫して省エネルギーの専門のエンジニアリング企業として事業を拡大してきました。そして2012年のFITの制度が始まってからは、このFITの太陽光の発電を中心とした再エネ市場の拡大の風に乗り、エンジニアリング事業では大幅な大型の受託型の案件でしたり、エネルギーサプライ事業では自社の発電所をどんどん増やしていくことで安定的な収益の拡大を図ってきました。
今後は、このFITの発電所の開発がほぼほぼ終了に際して、これからの開発に関しては蓄電池のビジネスがこれから増えてくると見込んでいます。こちらと、あと従来ずっと取り組んでいるバイオマスの発電に関する事業、この2つに注力して、今後成長していこうと考えています。
こちらは売上利益の成長のイメージです。見ていただける通り、今まではFITの太陽光の発電所を中心としたことによって売上利益ともに成長を牽引してきました。
そして今は、それがなくなってこれからどうしていくんだということですが、冒頭説明しました通り蓄電池のビジネス、そしてバイオマス燃料のビジネス、当然ながら既存事業の拡大。この3つの柱によって、中長期的2030年に向けて大幅に利益を拡大させていこうという計画です。
そして、今の2024年6月期から2027年6月期に関しては成長投資の準備期間ということで、前期がボトムになっていますが、ここからしっかりと成長投資、人員の増強、これをしっかり種まき期間として、これが身を結ぶ2027年以降は大幅に利益を拡大していきたいと考えています。
こちらも、事業構造を転換してどのようにこの利益が計上されるかというグラフになっています。繰り返しになりますが、今時点はこのボトムということで、先行投資、人的リソースの増強、こういう期間になっています。
しかし、2027年以降は、この成長投資が身を結んで、事業構造も転換させながら利益を拡大させていくという図です。
細かくは後ほどご説明しますが、主に蓄電池の建設の案件で、受託型の案件が引き続き牽引すること。2030年頃になるとバイオマス燃料も利益が拡大していきますし、電力小売供給に関しても市場連動型メニューを活用することによって利益も増えていきます。
また、O&M、オペレーションとメンテナンスに関しては、従来から堅調に推移するということ。再エネ発電については、後ほど出てきますFIP制度に転換したり蓄電池を併設することによってベースがアップするということを見込んでいます。
ここで一旦補足の説明があります。当社は、この京都の開発案件というものをずっと開発をしてきました。こちら順調に開発のプロセスは進展しています。しかしながら、この売上利益の計上時期については、2025年6月期になるのか2026年6月期になるのか、現時点では少し時期が確定していませんので、この中期経営計画からは省いています。
売上規模に関しては100億円ぐらいの規模でかなり影響が大きいものですから、こちらを省いていますが、しっかり権利の譲渡が整理する見込みがつきましたら、しっかりと業績予想の修正等々、リリースをさせていただく予定です。
これからは注力分野についての成長戦略を説明させていただきたいと思います。
まずは事業環境ですが、引き続き2030年の46%削減、2050年のカーボンニュートラルに向けて、当社の顧客を中心にこの脱炭素のニーズというのは強いものだと思っています。
また、これから注力しようとしている蓄電池のビジネスに関しては、再生可能エネルギーが増えてきますと、この蓄電をする必要がありますので、今後かなり事業市場としては成長すると当社は見込んでいます。
ここから注力分野について説明します。
この蓄電池のビジネスに関しては2つに分けて説明します。まずは系統用蓄電所の開発です。当社は、これが今後中期的な成長をするための注力分野の大きな柱だと考えています。当社は今までFITの太陽光発電を500MW以上開発してきました。土地の取得から建設工事、メンテナンス、運管後のメンテナンスまで一貫してワンストップで対応できる、これが強みです。
このFITの太陽光発電の開発と蓄電所の開発は、ほとんど同じです。なので、当社が培ったノウハウを生かして、長期脱炭素電源オークションでは菊川の蓄電所を落札しました。これはこの開発ノウハウでしたり、この制度の理解、あと需給管理までワンストップで対応できる、このような強みが生かされた結果だと思っています。メーカーさんとの協力体制も構築できています。
当社はこの強みを元に、2030年に向けて700MWの案件創出を目指していまして、これを売上総利益に換算すると39億円になります。当社は、現時点ではすでに、約30件、容量としまして2,000MW、2GWの開発パイプラインがあります。今後、人員も増強してこれをどんどん増やしていこうと考えています。
その出口としては、菊川の蓄電所を落札したオークションでしたり、このような系統支援ニーズがかなり高いインフラ会社さんに、この系統蓄電所を、案件として組成して、EPCの建設工事の受注を目指しています。建設工事が受注をして、運用管理後はオペレーションメンテナンス、運用管理、このストックのビジネスにもつなげて、エネルギーサプライの拡大をつなげていきたいと思います。
こちらは、系統用蓄電所でしたり系統蓄電所以外の産業用蓄電所の導入見通しです。2030年に向けて大幅に増えると見込まれていますので、当社はこの波にも乗っていきたいと考えています。
これからは、もう1つの蓄電池ビジネスの注力分野について説明します。まず、このFIP制度の転換と蓄電池の併設、これがどういうことなのかをまず説明します。
今、多くのFIT発電所というのは、FIT制度を活用して固定価格買取制度を活用した太陽光発電所がほとんどです。
ただし、この再生可能エネルギーが増えることで、特に九州地区に関しては出力制御で、売りたい、発電できるんだけど売れない時間帯というのがどんどん増えているという現状です。そちらを、FIP制度に転換すると、固定価格ではなくなってしまって市場価格になるのですが、自由に売電できるので、さらにプレミアムが交付されることになり、収益改善につながります。
また、発電した電気を売れない時間帯に関しては、そちらの電気は蓄電池に貯めておいて、市場価格が高い時に売ることで、さらに収益改善につながる、このような仕組みです。この提案を用いて、この事業を展開していきたいと思います。
まず、当社の強みとしては、全国で700箇所、約1,000MW、1GWの太陽光の施工実績があります。冒頭説明した出力の制限がかかってる九州エリアについては約140件、270MWの実績があります。また、当社においては、275MWのFITの太陽光発電所を保有しています。また、九州エリアについては約130MWの発電所があります。
こちらを、まずFIP制度に転換する、それで蓄電池を併設する。この提案を、まずはやっていきます。
こちら、どういうことをやっていくかといいますと2つあります。まずは自社の発電所を、このFIP制度に転換します。そして蓄電池を併設します。
そうすることによって、再生可能エネルギー事業の売電収入の向上、ベースアップができますので、ベースアップすることによって発電事業の利益を上げていきます。こちらは当社の自社事業なので、当社はこの蓄電池を大量に購入することになります。
こちらの2030年向けの計画では113MWの蓄電池を併設することになりますので、こちらで蓄電池メーカーさんとの関係構築でありまして、バイイングパワーをつけるということです。
こちら九州に限っての計画ですので、今後出力の制限が、もっともっとエリアが広がってくれば、他のエリアにある発電所も、このFIP転換と蓄電池併設をやっていこうと考えています。
もう1点は、顧客向けです。先ほど1GWの顧客を持っていると説明しました。九州地区に関しては270MWの顧客が、140件、270MWの顧客がいます。こちらに、この顧客に対してこのFIP転換と蓄電池併設の提案をして、この蓄電池の建設工事の受注につなげていこうということです。
受注につなげるということと、この蓄電池の設置後は、オペレーションメンテナンス、運用管理、こちらのエネルギーサプライ事業にも拡大をつなげるということを考えています。
繰り返しになりますが、自社のFIP転換を113MWすることによって、発電事業のベースアップは売上総利益に換算して約17億円です。
エンジニアリング事業は、この2030年に向けて、150MWのFIP転換をして、エンジニアリング事業の受託型の建設工事及び、この150MW分のオペレーションメンテナンス、運用管理の案件につなげていきたいと思います。
続きまして、資源循環型のバイオマス燃料事業についてです。当社は、インドネシアにおいて、PKSの出荷とEFBペレットの開発事業をずっと営んできました。こちらをしっかりと活用することによって成長していこうという戦略です。
当社の強みとしては、2022年より、PKSの燃料を調達して、日本向けに出荷をしてきました。しっかりと当社の社員を派遣して直接集荷、買い付けをして出荷をしています。このため、現地に2箇所の出荷基地があるのですが、それも増強をしています。
EFBに関しては、2018年から、インドネシアでペレット化の研究開発を続けてきました。この度、研究開発して、しっかりとした燃料ができることが確認できました。こちらをしっかりとした事業として具現化するために、現地の国営企業PTPN社と協定を締結して、工業用地の確保でしたり大規模工場建設の検討をしています。
また、PKSもEFBも、この燃料だったり材料の出荷元・調達先はもう共通していますので、こちら一緒にやることによってシナジー効果というのはもっともっと広がっていくものと思います。こちらを、この背景を元に2030年に向けて、PKSに関しては約40万t、EFBペレットに関しては約10万tの出荷を目指していまして、売上総利益に換算すると約30億円の売上総利益の計上を目指しています。
こちら、冒頭にある通り、パーム産業の残渣物、捨てているものを有効活用するということなので、非常に社会的にも意義があるものだと思っています。
最後の注力分野としては、やはり既存事業です。当社は、この省エネルギー、再生可能エネルギーの事業というものは創業以来ずっと継続をしてきました。
こちらの実績、技術力というものが、今までの開発事業でしたりバイオマス発電事業のバイオマス燃料事業にもしっかり生かされていると思っていますので、こちらの方も、外部環境も今追い風だと思っていますので、引き続き伸ばしていこうと思っています。
強みを整理すると、当社は、提案からワンストップで対応ができるということ。またベンダーフリーでお客様にあった、企業理念にあります通り顧客重視、顧客満足の精神で、お客様にあった提案ができるということです。
創業以来ずっと手掛けている事業ですので、豊富な実績、強固な顧客基盤を有しています。太陽光になると約700件、約1GW。コージェネレーションにおいても、約700件、1.3GWの実績があります。
成長戦略に関しては、非常にニーズがある、追い風であるということ。なので、しっかりと人員を強化・増加して売上利益を拡大していくということです。
こちら、建設の案件になると、エンジニアリング事業の売上利益に貢献できますし、あとは特に自家消費の太陽光に関しては、PPAのモデルでの提案も引き続きしていますので、PPAで契約ができれば、エネルギーサプライ事業の方に売上利益が計上するということになっています。
続きまして企業価値の向上に向けてです。
当社はこの3つ、ROE/ROIC重視の経営、成長投資と株主還元、ESGの推進ということで、企業価値を向上させて、皆様方にしっかりとした還元をしていこうと思っています。
まずはROE/ROIC重視の経営ですが、現時点では低い水準ではあるのですが、先ほどからご説明しています今の準備期間、しっかりと成長投資、人材の育成をしまして、この中期経営期間中に大幅な利益の成長を果たして、ROEは11%、ROICは5.5%を超える水準を目指しています。
続きまして、成長投資と株主還元方針です。当社は、2024年6月期に関しては、業績こそ下方修正となってしまいましたが、安定した配当を継続するという観点から、当初に予想しました配当16円を維持する方針です。中期的に見ますと、事業環境は追い風である、繰り返しになりますが、今は成長投資の段階であるということです。
今期の配当予想に関しては5.11円ということで、京都案件を計上していないということからも、この配当性向30%からはかなりの大幅な減配となっています。
ただし、繰り返しになりますが、中期的には大幅な利益の成長が見込まれますので、これをしっかりとこの準備期間で、種まき期間、成長投資をしっかりと利益につなげ、お客様、株主の皆様への還元をしっかりとしていきたいと思っています。
最後のESG経営の推進に関しては、引き続き、当社のESG推進委員会を中心に、このような取り組みを続けて、ESGの非財のところもしっかりとしたリリース等を充実させて、ESG経営の推進に取り組んでいきたいと思います。
以上、当社の「TX2030」ということで、2030年に向けての当社の成長戦略について説明をさせていただきました。冒頭からもある通り、今の時点は、業績はボトムというところではありますが、これをボトムからどのように2030年に向けて成長していくか、今は成長の準備期間でありますが、後半は、かなりの利益成長が期待されますので、今後ともご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。