コンドーテック(7438)濵野社長インタビュー!建築土木災害関連資材の「メーカー&商社」 ~オーガニックとM&Aで売上1000億円と連続増配記録更新を目指す~
【7438】コンドーテック
| 開催日 | 2026年 07月 10日 |
| 出演 | 代表取締役社長 濵野 昇 |
コンドーテックの濵野社長に会社の強み、成長戦略についてインタビューしました。
濵野社長 略歴
コンドーテックは、1953年に会社を設立してから73年と社歴の長い企業です。
私は56歳になりました。今、役員の中では最年少を務めさせていただいています。
大阪生まれの大阪育ちです。大学を出てからコンドーテックに就職しまして、最初に茨城県の営業に配属されました。茨城から横浜に行って、京都に行って、広島に行って、大阪に行ってと、人生の半分以上は大阪以外です。
印象に残っている出来事はたくさんあります。
私が駆け出しの頃、大学を出て茨城県の営業に配属されて、まだ1か月もしないうちに営業に回ることになりました。大阪でしか育ったことのない人間が、いざ茨城県に行って。当時はスマートフォンもないですし、携帯電話も、ナビもない。唯一の連絡手段としてポケベルがあるような時代でした。
まずは紙の地図を見ながら回りました。それ以上に困ったのは、言葉がなかなか難しかったことです。
当時は吉本の芸人さんなども、今ほどテレビに出ていない頃でした。お客様から「関西人にだまされるな」みたいなことを言われたりしました。あまり関西人のイメージがなかったのかもしれないです。
そんな中、営業に回って新規開拓の訪問を一生懸命していました。
私が最初に新規開拓をさせてもらったお客様とは、今でもつながっています。33、34年前の話ですけど、年賀状をいただいたり、出張に行ったときにお会いしたりします。非常にありがたいことです。
会社概要
コンドーテックは「国土や暮らしを支える建設資材のメーカーであり、商社である」という会社です。
売上構成で見ると、自社製品は20%程度で、残りが仕入商品という商社の立場です。ただ、あえて「メーカー」を先に持ってきているのは、私の思いもあります。
当社は全国に4つの工場を持っていて、その工場で製品を作っています。
当社のお客様にも、ものづくりをしているお客様が多いものですから、同じものづくりをしている目線や気持ちを持って、お客様と接することができます。
そういう意味で、メーカーとしての気持ちは絶やさないようにしています。
工場を持っていることで、開発のスピードも速いです。「こういったものがあればいいな」とお客様から提案いただいたものを、まずは自社の工場で検討します。
そこでどうしても作れない場合は、協力会社さんや仕入先さんにお願いすることもあります。そういうスピード感を持って開発できることは、当社の強みでもあります。
1953年の設立以来ずっと経常赤字になったことがないです。当社は幅広い分野、業態でビジネスをさせてもらっていますので、例えば一つの業界があまり良くなかったとしても、ほかのところで補えるという強みがあります。
もともとは、創業者の近藤が始めた近藤商店、のちの近藤鉄工でした。当時は船舶関係の艤装品です。港と船をつなぐためのワイヤロープであったり、ターンバックル、シャックルであったり、そういったものの組み立てが当社の祖業になります。
実際に船会社さんや造船会社さんに売るところから始まって、そこから陸に上がり、どんどんフィールドを広げていきました。
港湾、輸送、物流、建設工事、土木、河川工事など、当社はさまざまな資材を納入させていただいています。
最近では鉄道関係もあります。鉄道橋梁の枕木を止めるフックボルトがあります。枕木を止める角フックボルトは当社の開発製品で、各私鉄やJRさんにも採用していただいています。
開発製品は、最も力を入れているところです。取り扱いアイテムが5万点とありますが、私、多分もう2、3年、5万点と言っているので、もう増えているかもしれないです。
各地でコンドーテックが商品・製品を供給しています。
代表的アイテム紹介 ~建築の進行にそって~
当社は「建設資材のメーカー・商社」です。建物は基礎工事から始まります。建物ができたら隠れてしまうところです。
その基礎工事で、当社の鉄構資材セグメントが主に扱うアンカーボルトが使用されます。建物を大きな揺れから基礎で守る、縁の下の力持ちのような部材です。
当社は4つの工場すべてで、このアンカーボルトのJIS認証を取得しています。札幌、関東、滋賀、九州の4工場があり、需要地に最も近いところから供給しており、無駄な輸送距離を出さないようにしています。
また、アンカーボルトは販売するだけではなく、施工も請け負っています。
今は人手不足ですので、お客様から「基礎工事は丸々任せたい。図面を渡すので、それに応じた工事をしてくれ」と言われます。当社で図面も書き、現場の打ち合わせも行う。モノとコトをセットで提供しています。
S造の場合は、そこで鉄骨を組み立てます。鉄骨を組み立てる工程で、鉄骨の副資材が必要になります。
その一つがターンバックルブレースです。先ほどのアンカーボルトとターンバックルブレースは、当社工場の主力製品です。
先ほど、アンカーボルトは大きな揺れから基礎で守るとお話ししました。このターンバックルブレースも、大きな地震が発生した際に建物の揺れを吸収する、非常に重要な役割を果たします。
これも4工場すべてでJIS認証を取得しています。
さらに、足場の組み立てもしています。基礎工事をして鉄骨が組み上がると、壁を工事したり、屋根を作ったりします。
その際には必ず足場を組まなければいけません。足場は建物だけでなく、橋梁の現場やプラント工事、工場など、いろいろなところで使われます。
当社の足場工事セグメントのグループ会社が機材を持ち込み、現場で組み立てます。工事の最初に足場を組み立てて、何か月かたったら取り外す。これが足場工事セグメントです。
足場を組むと、建物が徐々に完成していく中で、いろいろな資材が使われます。
当社の産業資材セグメントは、非常に幅広いものを扱う部門です。
物を吊り上げるための吊り具であったり、チェーン、繊維スリング、ワイヤロープであったり、そういったものを建設現場では消耗材としてたくさん使います。現場に持っていく場合もあれば、お客様の倉庫に届ける場合もあります。
建物の形が出来上がってくると、中の配線工事が始まります。
また、空調、照明、水回り、バス、トイレ、キッチンなども、当社の電設資材セグメントで扱っています。そこはメーカーさんから現場にお届けする形になります。
建物がほぼ完成すれば、最後に屋根へ太陽光パネルを載せる場合もあります。
ここまでで建物は完成しますが、当社の活躍はそこで終わりではありません。
建物ができて10年、20年、30年たったとき、例えば塗装工事をしよう、壁や屋根を修繕しようということになります。そのときにも必ず足場を組みます。先ほどの足場も、組んでばらして終わりではなく、いずれまた活躍の場が出てきます。
コンテナバッグは、非常に多様な用途で使われています。飼料や肥料を入れたり、産業廃棄物を運搬したり、建物を解体したときのがれきを詰めたりします。
また、災害が発生して、どこかで土砂崩れが起きたとき、その土砂を詰めて運搬することもあります。当社の主力中の主力商品です。
今も台風のシーズンですが、災害が発生したときには必ず必要になります。ですから、こういったものは「必要以上に」という表現が正しいか分かりませんが、かなり数多く、全国で在庫するようにしています。
ビジネスの流れとして、まずユーザーへ直接販売しているのは、基本的には鉄構資材です。鉄骨を加工する業者様へ、当社から直接販売しています。当社の中では数少ない直販部門です。
産業資材のお得意先は、金物店、各地の問屋さん、商社さん、ホームセンターなどです。そこへ納めた商品が、最終的なユーザーさんへ渡っていきます。
足場工事のお客様は、ゼネコンさんや工務店さんが多いです。
商品の仕入れについては、OEMの商品まで含めると、全体のだいたい30%ぐらいになります。
それ以外は仕入商品になります。先ほどご紹介させていただいたコンテナバッグもそうですが、化成品の多くは海外からの仕入れです。
こういったものを海外や国内から仕入れる、あるいは自社で作る。そして直接販売したり、二次卸や小売店を経由したりして販売する流れです。
当社はメーカーであり商社だとお話ししました。例えばメーカー機能だけですと、アンカーボルト、ブレース、チェーンなど、単品で買っていただけるお客様はいらっしゃるかもしれません。
しかし、当社には商社としての役割もあります。「コンドーテックに頼めば、必要なものをすべて一式そろえてくれる」と評価していただいています。
私が逆の、物を調達する立場でも、これはこちら、あれはあちらと、一つの工事を完了するために10社、15社へ発注するより、1社で完結する方が便利です。
そういう使い方をしていただいているのだと思います。それが商社としての役割だと思っています。
私はずっと営業をしてきましたので、お客様に喜んでいただいた経験がたくさんあります。
お客様から「安かったから買った」と言われることは、もちろん買っていただいたことへの感謝はありますが、それだけではあまりうれしくないです。それより、値段以外のところを評価していただける方がうれしいです。
「濵野さん、ごめん。今日、何とか持ってきてくれへんかな」「明日の朝に使うから、今日中にどうしても用意してほしい」といった緊急の依頼です。
それから、「何かよく分からないけど、こんなものが必要なんや。これ分かる?」と相談されることもあります。
まさに連想ゲームです。
「こういうことで困っているらしいんやけど、分かる?」「ちょっと調べます」「ああ、それ、それ。それを持ってきて」といったやり取りです。
そういうところを評価してもらえるのが一番うれしいですし、当社の存在価値だと思っています。
商社といっても、単に頼まれた物を届けるだけではなく、緊急の依頼や、「よく分からないけど、こういうものが欲しい」という相談に対応できることが付加価値になる。
そこは通販ではできないところだと思います。フェース・ツー・フェース、マン・ツー・マンで対応できることが、当社の強みです。
そういうところが、仕事の楽しさでもあります。当社の営業にも、価格だけのお付き合いではなく、プラスアルファの部分を評価していただけるようにしてほしいと思っています。
2026年3月期業績、セグメント概要、2027年3月期計画
2026年3月期は、売上高839億円で前期比6.0%増、営業利益46億円で4.0%増、経常利益48億円で3.7%増でした。
数字だけを見ると順調と言っていただけますが、私の中ではまだ満足していません。
価格が上昇している中で、売上高が6%増えたという数字だけを見ると伸びていますが、お客様にご理解をいただき、価格転嫁をさせてもらった部分も多いです。
販売数量が圧倒的に増えたわけではありません。もっと物量も増やし、中身も増やしていきたいです。
セグメント別に見ると、産業資材が売上高の半分弱です。ターンバックル、シャックル、足場吊りチェーン、ねじなどを扱っています。
鉄構資材が216億円で、全体の約4分の1。ターンバックルブレース、アンカーボルトなどです。電設資材が約15%、足場工事が約12%です。
足場工事の需要には、底知れないものがあると考えています。世の中には、バブル期以前に建てられたマンションやオフィスビルなど、古い建物が相当数あります。それらを全部壊して、新しく建て直すのかというと、建築価格はかなり上がっていますし、人手不足もあります。どちらかというと、今ある建物をどう維持して使っていくかという流れです。
屋根や壁の修繕、塗装工事、防水工事、大規模修繕工事などの需要は、これからさらに増えてくると思います。
産業資材の売上構成は、自社で作った製品が16%、輸入商品が26%、国内仕入商品が58%です。
得意先別では、小売業が42%、卸売業が33%です。
2026年3月期の売上高は395億円、セグメント利益は約27億円。売上、利益ともに中心的なセグメントです。
販売先が約1万7,000社と、非常に幅広いです。
さらに、製品、輸入商品、国内仕入商品ごとの粗利率を見ると、自社製品が28.9%、輸入商品が29.3%、国内仕入商品が20.7%です。
まず、自社製品は、当然ながら自社の加工コストをかけて作っていますので、しっかりとした価格で販売しています。国内仕入商品と比べると、粗利率が10ポイント近く高い。
そういう意味でも、自社製品の拡販には以前から力を入れています。
輸入商品については、一つの商品を一つの海外仕入先だけから仕入れるのではなく、国も含めて複数の仕入先と取引し、バランスよく調達しています。
為替の影響を受ける商品ではありますが、円安で輸入価格が上がった場合も、速やかに価格転嫁をさせていただき、お客様のご理解を得ています。
次に鉄構資材セグメントです。
2026年3月期の売上高は216億円、セグメント利益は12億円。こちらは自社製品比率が比較的高く、30%です。輸入商品が9%、国内仕入商品が61%。販売先は、業種としては建設業でほぼ鉄骨加工業者です。
そして電設資材。こちらは100%仕入販売です。
2010年に三和電材がグループに入ったことは、一つの成功事例になりました。
「こんなシナジーがあるんだ」「三和電材と当社の相互関係によるシナジーはすごい」と実感しました。
三和電材自身も伸びましたし、三和電材の商品を扱うコンドーテックも伸びました。
この成功をきっかけに、ほかの会社もM&Aでグループに迎えながら、成長してきました。
足場工事の売上高は98億円、セグメント利益は1億円です。売上の種類では、工事が85%です。
圧倒的に、足場の架け払い、つまり足場を組んで、工事が終われば解体する工事です。
もともと当社は、足場工事会社がグループに入る前から、足場機材を販売していました。
足場工事会社がグループに入ったことで、工事やリースだけでなく、販売も一緒にやろうと、ビジネスを広げてきました。
この足場工事セグメントは、もともと1社だったものが、相次いで2社、3社、4社と増え、現在は足場のホールディングスの下に4社あります。
足場工事会社は、日本全国にたくさんあります。そうした会社にM&Aでグループへ入ってもらってきました。
4社には、それぞれ特徴があります。住宅工事に強い会社もあれば、工場や倉庫などの大型物件を得意とする会社、橋梁工事を得意とする会社もあります。
ただ、これまで一つだけ、ピースが欠けている工事種目がありました。
プラント工事です。発電所や化学プラントなど、配管がたくさんあるような大きな工場です。プラント工事を得意とする施工会社が、これまでグループになかったんです。
そこへ2024年、北海道の上田建設とご縁があり、一緒になりました。上田建設はプラント工事を得意とする会社です。
プラント工事の施工会社が加わったことで、ほぼすべての工事種目に参入できるようになりました。
M&Aはご縁のものです。探しても見つからないことがありますし、案件の情報をいただいても、うまくいかないことがあります。本当にご縁だと思っています。
2027年3月期の計画は、売上高910億円で前期比8.4%増、営業利益49億5,000万円で6.6%増。増収増益の計画です。
この数字には、昨年M&Aでグループに入った鈴東と琉球ブリッジの業績が通年で乗ってきます。これは絶対に達成したいと思っています。
コンドーテックの強みとは
競合他社と比べたときに、コンドーテックの強みは、当社の開発力だと自負しています。圧倒的に高いマーケットシェアを持つものもありますし、長年培ってきた経験、技術、実績があります。当社ならではの開発製品もたくさんありますので、それが最大の強みだと思っています。
シェアの高い商品でいうと、ターンバックルブレース、JISアンカーボルト、それから足場吊りチェーン。足場吊りチェーンは、74%と非常にシェアが高いです。
ターンバックルブレースについては、シェアが40%弱となっています。ターンバックルブレースは、真ん中のくるくる回るターンバックルと、右ねじ、左ねじの三つを組み合わせた製品です。
真ん中のターンバックルを作るメーカーは国内に数社ありますが、ターンバックル、右ねじ、左ねじのすべてを一貫して作っているメーカーは、当社だけです。
JISのターンバックルブレースメーカーは国内に10社ほどありますが、他社はターンバックルの胴だけを購入し、右ねじ、左ねじを自社で加工して組み立てる形が多いです。
三つとも自社で作ることで、品質が安定しますし、コスト競争力、納期の面も含め、すべてにおいて優位性を持っていると考えています。
自社独自規格の製品の一つが「CATENA(カテナ)」です。
足場吊りチェーンはコンドーテックが約74%のシェアを持つという話がありました。
足場吊りチェーンとは、足場を下から組み上げるのではなく、上から吊り下げる「吊り足場」に使うチェーンです。
橋梁など、下から足場を組めない場所では、上からチェーンで足場を吊り下げます。足場を支える、非常に重要な部材です。
CATENAは、従来の足場吊りチェーンと比べ、強度を格段に高めています。一般的な認定品の約4倍の強度があります。単純に考えると、100本で吊る必要があるところを、4分の1に減らせる。実際の設計では条件がありますが、必要本数を半分以下に抑えられるケースがあります。
チェーンを一本一本、職人さんが掛けていくわけです。100回掛けるところが、50回や40回で済む。作業が楽になりますし、チェーンが少なくなることで作業スペースも広く取れます。何より、安全が担保されます。
発売から2年ほどですが、リース会社さんに採用いただき、使用がどんどん増えているところです。
こういう製品が今までなかったのは、当社が足場吊りチェーンで高いシェアを持ち、自社工場を持っていることが大きいと思います。4倍の強度を実現するには、どの鋼種を使うか、どのような熱処理をするか、どのような表面処理を施すかというノウハウが必要です。当社には何十年も培ってきた経験と技術があります。
会社の中に「新商材開発委員会」があり、月に1回開催しています。私も参加しています。自分でゼロから考えるのは得意ではないのですが、出てきた話に対して、「こうではないか」「ああではないか」と議論するのは好きです。
全国の営業担当や工場の社員が、お客様から「こういうものはないか」「こんなものがあったらいい」「コンドーさん、これを作ってよ」といただいた依頼を持ち寄ります。
それを委員会のテーブルに載せ、自社工場で作れないか、海外の協力会社で作れないかなどを議論し、商品化しています。
続いて、「ハイテン・コンブレース」です。この「ハイテン」とは、ハイテンション、高強度という意味です。
当社は、ターンバックルを含めたブレースを一貫して作るメーカーです。ターンバックルブレースにはJIS規格があり、ねじの直径は最大で33ミリ、M33までです。
それ以上の耐力や強度が必要な場合は、JIS規格のターンバックルブレースでは対応できない。
そのため、設計事務所さんは、従来は鋼材を使ったブレースを設計していました。一定以上の強度が必要な場合は、鋼材で斜めの筋交いを作るしかなかったわけです。
当社の営業も、お客様から「今回はターンバックルブレースではなく、鋼材のブレースなんや。強度が足りへんから仕方ない」と言われると、そこで諦めていました。
そこで、当社の技術で、より高強度のブレースを作れないかと考え、開発したのがハイテン・コンブレースです。
JIS規格の一般的な材料よりも強度を高めた鋼材を使い、ターンバックルも、右ねじも、左ねじも、すべて強度を高めています。
従来のブレースは、接続するために一つの面で40本、50本ほどのボルトを使うことがあります。
ボルトを多く使うということは、工場加工でたくさんの穴を開けなければいけませんし、取付精度も求められます。現場では、職人さんがそのボルトを一本一本締めます。
ハイテン・コンブレースでは、取付ボルトを片側1本にしました。X字に取り付ける場合、従来は何十本も必要だったボルトが、合計4本で済みます。
また、鋼材は高い取付精度が必要ですが、ハイテン・コンブレースなら、ターンバックルを締めたり緩めたりして、長さを多少調整できます。工場で加工するファブリケーターさんも楽になりますし、現場で取り付ける職人さんも非常に楽になります。
今は人手不足ですから、作業時間を大幅に短くできます。残業時間も制限され、夏場は熱中症対策で作業時間をさらに短くする必要があります。現場の省力化、省人化につながる製品は、非常に喜ばれると思います。
おかげさまで、ゼネコンさんや設計事務所さんから、たくさんお問い合わせをいただいています。これも自社開発、自社製品です。
「LSダブルフック」は、タコ足ウインナーのような形をしたフックです。天井クレーンの一般的なフックは一つですが、そこへ繊維スリングを4本ほど掛けることがあります。1か所に4本を掛けると、重なって窮屈になります。大きな鋼材などを吊っていますので、外れれば大事故につながります。クレーン作業は危険を伴います。
LSダブルフックは、一つの本体に二つのフックを設け、4本のスリングを2本ずつに分けて、バランスよく吊れるようにしました。一つのフックへ4本を掛けるより、かなり安定感があります。外れ止めも付いています。安全性が高く、現在、非常に好評です。これも新商材開発委員会から生まれた商品です。
ちなみに、このLSダブルフックは社長賞を受賞しました。既にあるものをまねて作るのではなく、これまで市場になかったものを新しく投入する。これは素晴らしいことですので、社長賞に選びました。
お客様のニーズを吸い上げて製品化する。ここが、他社にはないコンドーテックの強みです。
中期経営計画(成長戦略)
中期経営計画では、2020年代中に、売上高1,000億円、ROE10%以上、DOE4%以上を目指す。そして、オーガニック成長、周辺領域の拡大、M&Aを組み合わせて成長するという方針です。
2029年3月期に売上高1,000億円へ行くと明示しました。
2026年3月期が839億円ですから、まだ一定の距離があります。ただ、これまでどおり5%、6%程度の成長を続ければ、おのずと達成できる数字だと思っています。
2029年3月期の目標は、営業利益53億円、経常利益55億円、当期純利益36億5,000万円。いずれも最高水準を目指しています。
新たな取り組みも進めています。
昨年は北陸に新しく営業所を開設しました。北陸では、これから震災復興の需要も出てきます。
また、環境エネルギーグループを立ち上げ、再生可能エネルギー関連、特に洋上風力に関する事業にも取り組んでいます。
売上高1,000億円を目指すうえでは、既存事業をオーガニックに成長させること、周辺領域を強化すること、そしてM&Aで成長を加速することが重要です。2010年に三和電材をM&Aしてから、売上が大きく伸びています。
当社を取り巻く環境、建設業界の環境が良いとは思っていません。人手不足もありますし、さまざまな制限もかかっています。ただ、当社には、そうした課題を克服できる製品が幸いにもたくさんあります。
今のような背景があるからこそ、先ほどご説明した製品が注目されやすい。経営環境は厳しくても、それを逆手に取り、当社の強みと存在感を出していきたいと思っています。
老朽化した橋梁やインフラも国内で増えて、修繕のための足場工事や資材の需要が出てきます。そこが伸びしろでもありますし、根強い需要でもあります。
ただ、新築が全くなくなるわけでもありません。建築でいえば、データセンター、半導体関連、大型物流倉庫などの計画はまだあります。
データセンターは、これから建設ラッシュを迎えると思います。当然、建築資材の需要があります。
また、データセンターは、空に向かって高い建物というより、横に長い建物です。実は当社にとっては、そうした建物の方がありがたいです。
超高層ビルよりむしろ低層で横に広い建物の方が、当社製品の活躍する場面が多い。データセンター、物流倉庫、半導体工場などは、当社にとってありがたい物件です。
オーガニック成長について、まずは、新規販売先の開拓です。先ほど、私が30年以上前に新規開拓をした話をしましたが、新規開拓は当社の文化のようなものです。全員で新規開拓をしていくという方針が、根強くあります。
当社が扱う約5万アイテムという品ぞろえが、新規開拓の可能性を広げています。
商材や事業が増えれば、営業できる先も増えます。足場工事ができるようになれば、そこから新しいお客様へ入れます。
休眠顧客というのは、何らかの理由で取引が少なくなったり、途絶えたりしているお客様です。そうしたお客様は全拠点にいらっしゃいます。
リストアップし、なぜ注文が途絶えているのかを確認して、もう一度お取引いただけるように働きかけます。新規開拓と同等、あるいはそれ以上の価値があると思っています。
新商材のキーワードとして、いつも「省人化」「省力化」「軽量化」の三つを挙げています。この三つをテーマに、開発に取り組んでいます。
軽量化でいうと、建設業界で扱うものは重たいものばかりです。建築資材は鉄製が多いのですが、当社グループには、アルミ押出形材を手がける栗山アルミという子会社があります。アルミの重さは鉄のおよそ3分の1です。当社の周辺商材で、鉄からアルミに置き換えられるものはないかという検討も、開発につながります。
販売方法やサービスでは、吊り具点検サイト「ツリカタ」を運営しています。これは、購入していただいた吊り具を登録すると、購入からどれだけ日数が経過したかを管理でき、「そろそろ点検した方がいいですよ」といった案内を受けられます。点検した結果、危険な状態になっていないかなどを、お客様自身で確認、管理していただくサービスです。
アンカー施工の実施は、先ほど少しお話ししましたが、アンカーボルトを販売するだけではなく、施工まで一緒に請け負う取り組みです。
拠点も増やしていく方針です。先ほどお話しした北陸営業所を新設しましたし、一昨年は北海道にも新たな営業拠点を設けました。
また、コンドーテック本体の拠点ではありませんが、琉球ブリッジをM&Aしたことで、沖縄にもようやく拠点を持つことができました。
琉球ブリッジは、2025年12月に子会社化しました。それまで沖縄県には駐在所を置いていました。
ただ、在庫は持たず、部屋を一つ借りて営業するような形で、少し中途半端でした。そういう体制では、沖縄県の方々と密な関係を作ることが難しかったんです。
以前から、沖縄県で良いご縁がないかと考えていました。今回、琉球ブリッジとご縁があり、一緒になることができました。
琉球ブリッジは、素晴らしい販路をたくさん持っています。沖縄県には米軍基地が多くありますが、琉球ブリッジは米軍関係にも販路を持っています。米軍関係へ、フレコンバッグやマスク、防護服などを販売しています。
さまざまな販売チャネルを持っています。琉球ブリッジが扱っていた限られたアイテムに、当社の多くの商品を組み合わせることで、沖縄県でまだまだ販売を拡大できると考えています。
2025年11月には、鈴東株式会社を子会社化しました。鈴東は「安全鋼板」を作っている会社です。
工事が始まると、現場の周囲を鋼製の板で囲います。その仮囲いに使われる安全鋼板を考案し、製造しているメーカーが鈴東です。
鈴東は、もともと当社の仕入先でした。当社は鈴東のことをよく知っていますし、鈴東もコンドーテックをよく知っています。長いお付き合いの中で、今回、一緒になることになりました。
鈴東は安全鋼板を作るメーカーである一方、当社と同じように商社の機能も持っています。さまざまな販売先へ関連商品を販売しており、非常に良いお客様を持っている会社です。
一方で、琉球ブリッジと同じように、販売できるアイテムが限られ、販売力も十分ではない部分がありました。当社と一緒になり、鈴東の販売チャネルにコンドーテックの商品を組み合わせれば、面白いことになる、シナジーが生まれると考えました。
お互いに補い合える。鈴東は売上高が約27億円ですから、かなり規模があります。次の通期決算では、連結業績へ本格的に寄与します。
自然災害への対応を成長戦略の一つに位置付けています。日本では地震が多く、台風や豪雨も相次いでいます。当社は以前から、ブルーシート、コンテナバッグ、土のう袋など、緊急物資といわれる商品を扱ってきました。
最近の雨の降り方は異常で、災害が新たなステージに入ったと感じます。台風も大雨も、本当に激しくなっています。政府も国民も、災害への意識が高まっています。当社にとっては、必要な物資をしっかり在庫し、有事の際にすぐ供給できる体制を整えることが、一つの役割であり責任だと思っています。ここ数年、特に力を入れています。
実際に災害関連資材の売上も増えています。喜んでよいことではありませんが、それだけ災害が増えているということです。
海外は、タイに現地法人があり、主にASEAN地区で営業活動をしています。売上高はまだそれほど大きくありませんが、言い換えれば、まだまだ伸びしろがあります。
現地で仕入れて、現地で販売している商品もありますが、コンドーテックブランドの自社製品を海外へ広めていくことにも取り組んでいます。
成長戦略の中では、M&Aも積極的に活用していきます。
今回でいうと、鈴東のM&Aは事業の深掘り、琉球ブリッジのM&Aは事業エリアの拡大という位置付けです。
これからも良いご縁があれば、積極的に検討します。
対象企業を選ぶ基準として、中期経営計画に掲げた四つの視点を重視していますが、基本的に、当社とのシナジーがない会社は検討対象から外します。
規模についても、大きいから必ず良いわけではありませんし、小さいから良くないわけでもありません。小さな会社でも、シナジーを最大化できるのであれば、積極的に検討します。
社内にM&Aの専門部署があるわけではありません。仲介会社さんなどから案件の話をいただいた場合は、経営陣で議論し、良い案件かどうかを検討しています。
株主還元について
株主還元としては、2027年3月期で16期連続増配を予定し、上場来、減配がありません。ここまで続けてきましたので、継続していきたいと思っています。
日経連続増配株指数にも選ばれています。この指数は、連続増配を続ける企業のうち、上位70銘柄で構成されています。
上場企業が約4,000社ある中から、わずか70銘柄ですので、非常に価値のあることだと思っています。
2027年3月期の1株当たり配当金は58円の計画です。
株主優待は、「プレミアム優待倶楽部」を採用しており、保有株式数に応じてポイントを付与しています。
株価を1,450円とすると、配当利回りは約4.0%、優待を含めると約4.4%です。
株価の推移を見ると、売上と利益が伸びてきたこともあり、2010年4月以降の日経平均株価とコンドーテックの株価を比べても、日経平均が大きく上昇した中で、コンドーテックの株価もしっかり上がっています。
株価は複合的な要素で評価されるものですので、上がった、下がったと一喜一憂するものではないと思っています。
ただ、当社としては株価を意識し、どうすれば株価を高められるかを考え、活動していきたいと思っています。
配当による還元と、株価上昇による還元の両方を株主へ提供していきたいです。
上場企業4,021社の中で、ROEは1,708位、当期純利益は1,247位です。「大したことがない」と思われるかもしれませんが、むしろ、4,021社の中で今どの位置にいるのかを把握し、もっと上へ行こうという意思表示です。
例えば、ROEが1,708位なら、ROEを高めて、さらに順位を上げたい。自分たちへの戒めでもあります。
日本全国には300万社、400万社という企業があり、その中の上位約4,000社で競っているわけです。その中でさらに順位を上げていく。売上高1,000億円など、投資家に対していろいろコミットしています。
最後に 個人投資家の皆様へ
私どもコンドーテックグループは、社会に必要とされる会社であり続けることに力を入れ、皆様の期待に沿えるよう頑張ってまいります。
どうぞ、これからも応援のほど、よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。
