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SPK(7466) 沖社長インタビュー!世界中のクルマを、止めない! ~28期 連続増配企業の成長戦略~


【7466】SPK

開催日2026年 05月 12日
出演代表取締役社長 沖 恭一郎

SPKの沖社長に会社の沿革、成長戦略についてインタビューしました。

沿革・経営理念・経営方針

SPKは創業してから108年、1917年(大正6年)創業と、社歴が長いです。

元々伊藤忠商事が多角化を進めていく時に、自動車の輸入販売と部品の販売、これをスタートさせようということで子会社『大阪自動車』を作りまして、そこがスタートになっています。

会社を設立して5年後ぐらいにあの世界恐慌も見舞われまして、伊藤忠もどんどん子会社をスピンオフさせるということを始めまして、その時に我々SPKの前身も切り離されて独立しました。

経営理念はSPKの会社の名前そのものが経営理念になっています。

Sがシンセリティ(誠実)に生き、Pがパッション(情熱)を持って仕事をし、Kがカインドネス(親切)な対応ができる企業の集団という、これで社員も全員、会社の理念を忘れないというこういうことで進めております。社員は真面目で誠実だと評判です。

経営方針として、近江商人の言葉を3つ取り上げました。

1つ目が『三方よし』。三方は売り手良し、買い手良し、世間良しということになるのですが、最後の世間良しというのは今のESG経営です。

2つ目が『始末して気張る』。これは倹約の精神ですが、ケチじゃない。使うべきところにはしっかりM&Aなどで投資していきますが、無駄なことには一切使わないようにしようという精神です。

そして3つ目が『進取の気性』。新しいものには自ら進んで飛び込んでいく。

この3つの心掛けがあれば、ほぼ間違いなく会社としては成長していけると思います。

私は1982年に大学を卒業して伊藤忠商事に入社し、自動車部門に配属されました。そこでずっと海外とか貿易の仕事をしてきましたが、自動車は1台も売ったことがなくて、最初から部品を扱う部署に配属されました。それが今もずっと続いているということです。

アメリカに自動車部門から駐在していた時に、当時お取引はありませんでしたが、SPKが北米の事業を撤退するというお話になりまして、その時に後を任されました。これを引き受けて、そこからSPKという会社とのお付き合いが始まりました。

帰国後は別の部品の仕事をしていましたが、SPKに興味を持つようになりました。総合商社ですと、部品の仕事というのはどうしても非常に小さい部分になりますけれども、SPKはそれを全面的にやっています。これから残る企業人生をやるのだったら、部品そのものをどっぷりやった方が、やっぱり自分にとってはいいじゃないかなという思いもありSPKに転職いたしました。

SPKの挑戦は「世界中のクルマを、止めない!」です。世界中に日本から輸出された中古車が毎年150万台ほど輸出されています。主に製造からかなり年数を経た古い中古車が多いので、日本では必要のないようなオーバーホールが必要になります。日本車は性能も優れていて20年でも30年でも走り続けられますが、メンテナンスや部品交換はどうしても必要になります。それをできるだけ長く、世界各国の方に使ってもらえるようにするのがSPKの使命と捉えています。

環境にも優しいです。例えば、新しい車の方が、燃費が良い定量的な評価ももちろんありますが、新しく買い換えるよりも、今のものを長く使うほうが価値があると思っています。そのための仕事を一生懸命やるのが我々の使命と思います。

1950年以降の売上高推移と直近20年ほどの株価推移グラフを見ると、非常に右肩上がりです。株式は上場してからの株価の推移ですが、業績を上げていくことで株価についても良くなっていく。これを続けていくのが大変喜ばしいですし、グラフを拝見するのはすごく嬉しいです。

2018年に社長に就任して以降、コロナの停滞期はありましたが、その後すごく上がっています。社員のみんなが頑張ってくれたおかげですし、追い風の円安なども影響していると思います。ただ、思い切って実行していったことがその後で花開いていくという、この感触は非常にいいものと思います。

 

事業内容

事業としては「国内営業本部」「海外営業本部」「工機営業本部」「CUSPA営業本部」の4つのセグメントがありますが、中心である「国内営業本部」「海外営業本部」についてです。

 

国内営業本部

国内営業本部は、最も歴史が長く比率も大きい本部です。基本は優良(補修)部品を仕入れて在庫し、全国の部品商社を経由して、整備工場に日々お届けするというモデルです。

メーカーから仕入れて、全国に千数百社ある部品商さん(二次卸)に卸し、そこから数万件ある整備工場に届け、最終的に自動車ユーザーへと至るという流通網を形成しています。SPKは直接ユーザーと取引するわけではなく、流通の上流側に位置しています。

また、自動車メーカー(トヨタや日産など)の純正部品は、各メーカーの系列ディーラーを通じて販売されるのが基本です。一方、SPKはそれ以外の自社ブランド品や、パナソニックなどの大手部品メーカーから仕入れたバッテリー、オイル、フィルター、ワイパー、ブレーキといった消耗品を中心に販売しています。

なお、一般消費者がよく目にする「オートバックス」や「イエローハット」のような小売店は、この流通図の中では「小売店」という区分に当てはまります。

自動車の維持において、バッテリーの交換やオイル交換といった消耗品のメンテナンスは不可欠です。日本には車検制度があり、そのタイミングで消耗品を交換するケースが多いため、SPKにとって車検制度はビジネスを行う上で非常に重要な機会となっています。ユーザーにとっても、安全に車に乗るために必要なメンテナンスの契機となっています。

現在、SPKでは「GSPEK(ジースペック)」という自社ブランドの展開に力を入れています。

これは売上全体の約15%を占めており、残りの85%は他社から仕入れた商品を販売する形態をとっています。

自社ブランドを立ち上げた背景には、ナショナルブランド(大手メーカー品)では品揃えが十分でない、あるいは手が届かないといった顧客からの要望をカバーするという目的があります。

例えば、オイルのように、外部メーカーのブランド方針変更によって安定供給が脅かされるリスクを避けるため、自社で製造に関わり、安定した供給体制を築く意図もあります。

このビジネスモデルは、世界的な部品卸である米国のジェニュイン・パーツ(GPC)社を参考にしています。GPCでは自社ブランドNAPAの比率が販売の約半分を占めており、SPKも将来的には自社ブランドの比率を高めていくことを目指しています。

自社ブランドを展開することで既存の仕入先メーカーと競合するのではないかという懸念が考えられますが、表面的な反発はないです。

むしろ、大手メーカーが撤退した市場や、手が回っていないニッチな分野を補完する役割を果たしています。

その好例が「ブレーキローター」です。かつて日本市場では車歴が短く、ローターを研磨して再利用するのが主流であったため、補修用製品としては市場からほぼ消滅していました。

しかし、昨今の自動車軽量化に伴いローターの肉厚が薄くなり、研磨による再利用が困難になったことで、再び補修用の需要が復活しました。

SPKはそこに目をつけ、自社ブランドで製品を供給することで市場のニーズに応えています。

このように、大手メーカーがビジネスを継続しにくくなった分野をSPKが引き継ぐことで、互いに補完し合う関係を築いています。

 

海外営業本部

海外営業本部では、日本から輸出される中古車に使用される部品の供給を主力としています。

日本で走り終えた車は海外で10年、20年と長く乗り続けられることが多いため、国内ではあまり交換されないエンジン内部やトランスミッション内部の部品需要が非常に高いのが特徴です。売上の37%をエンジン部品が占めています。

1980年のシンガポールを皮切りに、現在ではアジア、オセアニアを中心に中南米や北米など各地へ展開しています。現地では日本の同業他社や地元の輸入販売業者と競争しており、日本の部品メーカーに近い立場から最新の情報を提供できる点がSPKの強みです。一方で、輸送距離によるコスト面での厳しさや、現地メーカーによる安価な製品との競争という課題もあります。

今後は、日本製の部品がいかに高品質であるかという価値を、いかに正しくPRできるかが成長の鍵となります。

 

ビジネスモデルと強み

自動車の補修部品には、大きく分けて「純正部品」と「優良部品」の2つが存在します。

純正部品:
自動車メーカー(トヨタ、日産、ホンダ等)のブランドで提供される部品。

優良部品:
自動車メーカーのブランドではなく、部品メーカー(パナソニック等)の自社ブランドで供給される補修部品。

この「優良部品」は、商社やメーカーで構成される「JAPA(日本自動車部品協会)」によって品質が認定・推奨されています。製品にはJAPAの認定マークが付与されており、純正部品と同等の品質が担保されています。

優良部品は特定の車種に限定されず、汎用的な供給が可能な点や、純正部品と比較して価格を抑えられるケースが多い点がメリットです。

現在は整備工場でどちらを使用するか選択できる仕組みになっていますが、一般ユーザーへの認知がまだ十分ではないという課題があります。医薬品におけるジェネリック医薬品のように、ユーザーが自ら選べる選択肢として、JAPAの認知拡大を目指しています。

SPKの最大の強みは、製品ラインナップの幅広さと安定した供給体制にあります。現在、2万点を超えるストックアイテムを保有し、国産車だけでなくベンツなどの輸入車まで幅広く対応している点は、国内でもトップクラスの規模を誇ります。

国内市場においては、JAPAに加盟する20数社が商売上の同業・競合にあたります。かつてより業界内の統廃合が進んだ結果、現在の大手事業者は5〜6社程度となっており、SPKはその中で競争を繰り広げています。

 

市場環境・成長戦略

SPKのビジネスにおいて、最も重要な指標は「新車販売台数」ではなく、実際に公道を走っている「自動車保有台数」です。世界全体では全車種含めて約16億台、日本国内だけでも約8,000万台が保有されており、この保有台数こそがSPKの潜在的な市場(見込み客)となります。

世界全体で見れば、車が不足している地域はまだ多く、今後も保有台数は増加していく見込みです。モノが動くところには必ずクルマの需要が発生するため、保有台数の拡大はそのままビジネス機会の拡大に直結します。

海外事業においては、「中古車の輸出台数」が市場の先行指標となります。直近で年間約149万台が輸出されており、UAEやチリ、ロシア、ケニア、タンザニア、ニュージーランドなどが主な輸出先です。特にUAEなどのハブ拠点からは周辺の中東諸国やアフリカへも再輸出されるため、実質的な市場規模はさらに大きいものとなります。

一方で、日本メーカーの現地生産が進むにつれ、日本からの輸出台数が減少するリスクも考慮しています。そのため、単に日本からの輸出に依存するのではなく、現地法人を設立し、現地のニーズに合わせたビジネスモデルを強化することで、日本車の普及に左右されすぎない体制構築を進めています。

日本国内の自動車保有台数は、急激な増加は見込めないものの、8,000万台以上の水準で非常に安定して推移しています。この安定の背景には、日本独自の「車検制度」の存在があります。

車検制度によって車のメンテナンスが義務付けられているため、整備不良車が非常に少なく、定期的な部品交換の需要が確実に発生します。急成長する市場ではありませんが、急激に縮小することも考えにくいため、事業の安定性は非常に高く、これが経営基盤の強みとなっています。

EV(電気自動車)化の進展は、部品点数の減少やサービス形態の変化という点でリスク要因にはなり得ますが、SPKとしては「新たなビジネスチャンス」が多いと捉えています。

車両がガソリン車からEVに変わっても、メンテナンスの必要性はなくなるわけではありません。むしろ、充電インフラの整備など、新しい領域で必要とされるサービスが増えると考えています。

SPKの主力は新車販売ではなく「メンテナンス」です。車両が販売されてから実際に整備・修理のピークを迎えるまでには数年のタイムラグがあり、この期間はビジネス計画を練るための大きなアドバンテージとなります。優秀な日本車であれば最初の数年間は大きなメンテナンスが不要なことも多いため、新車販売の動向を見ながら、5年後の需要に向けて準備を進めることができます。

VISON2030は、2020年に策定した「100年に一度の変革」に対応するための10年ビジョンです。現在は中期経営計画「アップグレードSPK」の期間中で、ストック型のメンテナンスビジネスを核に、海外事業の拡充や国内投資を順次進めています。

2030年度に売上高1,000億円、営業利益50億円(利益率5%)を目指しています。当初はクオリティなどの定性的な変革を主眼としていましたが、到達目標を明確にするために数値目標を設定しました。

成長に向けた重要な取り組みとして、以下の3点を進めています。

国内システムの再構築:
国内営業本部の基幹システムを刷新し、2027年頃の運用開始を目指しています。業務の効率化だけでなく、将来の変化に対応できる商売の仕組み作りを最優先としています。

海外での現地密着型ビジネスの強化:
単なる輸出にとどまらず、現地法人の設立・強化を進めています。特に北米ではホールディングスを設立し、中米やアジアでもネットワークを拡大しています。限られた人材の中でも、将来有望な社員を現地へ出向させ、経営に携わらせることで組織力を高めています。

物流体制の最適化:
新たに「CLO(チーフ・ロジスティックス・オフィサー)」を任命し、既存の物流拠点が現在の商売に最適であるかを根本から見直しています。取り扱い点数が増加し続ける中で、それらを適切に管理・配送できる体制の構築に注力しており、必要に応じて拠点の移転や改築も進めています。

 

連結決算・業績予想・株主還元

2026年3月期の決算は、売上高752億円(前期比+9.5%)、営業利益35.5億円(前期比+8.4%)、営業利益率4.8%という結果でした。

北米における関税問題や、中東情勢の悪化による物流の混乱など、非常に厳しい外部環境下にありました。しかし、そうした逆風の中でも増収増益を達成できたことは、非常に嬉しく思います。外部環境が悪い中で利益確保に社員がよく奮闘してくれました。

自己資本比率は61%と強固な基盤を維持しており、ROE(自己資本利益率)も目標値である「10%前後」に近い9.6%を記録しました。

営業キャッシュフローや資金調達を活用し、M&Aに約37億円を投じました。M&Aは特定の計画に基づくものというよりは、取引先などご縁があった案件を検討し、将来的な成長が見込めると判断した場合に引き受ける形をとっています。

セグメント別では、国内営業本部は、着実に増収増益を達成し、全体の売上の42%を占める中核として機能しています。

海外営業本部の売上は増加したものの、前述の外部要因(関税・物流)の影響を受け、営業利益面では伸び悩む結果となりました。

CUSPA営業本部では、走りを楽しむ層へサスペンション等のパーツを自社ブランドで提供する老舗ブランド「ブリッツ」が加わったことで、利益面で大きな貢献がありました。今後は、ブリッツの製品をSPKの海外ネットワークを通じて展開するなど、さらなるシナジーを追求する方針です。

2027年3月期の業績予想は、売上高800億円、営業利益37億円、経常利益39億円としています。あえて無理な目標は立てず、確実に達成可能なラインとして設定しています。

大幅な成長を急ぐこと以上に、「前年に比べて必ず一歩前へ進む」という増収増益のペースを維持することを何より重視しています。

SPKは「29期連続増配」という非常に高い目標を掲げています。近年、増配の勢いはさらに加速しています。

かつては増配率の低さを指摘されることもありましたが、経営陣は株主からの声も真摯に受け止めつつ、将来の成長投資とバランスを取りながら着実な還元を続けています。

配当性向については、30%を一つの指標として掲げ、安定的な還元を目指しています。会社としての「増収増益」を継続し、前進し続ける姿勢を崩さず、その成果を株主へ還元していくことを経営の軸としています。

SPKのビジネスの本質は、世界中で走り続ける日本車の「歩みを止めない」ことにあります。日本から輸出された中古車が、海外の地で10年、20年と長く活躍し続けるためには、SPKによる高品質な部品供給とアフターフォローが不可欠です。

 

最後に

世界中で走っている日本車の歩みを止めないというのが、我々の強い思いです。日本車が活躍する大きな市場に対し、これからもさまざまな取り組みで挑戦し続けます。

株主の皆様にはぜひ応援いただき、その成果をきっちりと還元していく所存ですので、今後ともSPKをよろしくお願い申し上げます。

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