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ベクトル(6058)西江会長兼社長にインタビュー!M&Aで強化したPR・広告事業が好調!売上592億円、増収増益の決算!


【6058】ベクトル

開催日2024年 04月 23日
出演西江 肇司 会長兼社長

ベクトルの西江会長兼社長に2024年2月期決算についてインタビューしました。

2024年2月期 通期決算

売上高は592億円、売上総利益は376億円、営業利益は69億円で、それぞれ売上高が前年比7.2%増、売上総利益も7.2%増、営業利益は10.6%増となり、着実に売上、利益を積み上げました。また、当期純利益は46億円で昨年と比べて大幅な増加となりました。

 

営業利益

営業利益に関しては基本的に順調に進んでいたのですが、貸倒引当金の問題が7.5億円あり、それがビハインドとなってしまいました。これはPR・広告事業で買収した会社の中で起きたことです。売掛金の回収が今期にできませんでした。来期にはできると思いますが、半分は回収できないと見込んでいます。元々PR事業のクライアントは大手企業が多く、これまでは貸倒れのような事態はほとんど起きませんでした。しかし、私たちは現在デジタル広告の会社を積極的に買収しており、そのクライアントには中小企業が多いです。その中で、売上が最も大きいクライアントの一つが倒産してしまいました。今後はデューデリジェンス(与信管理)を徹底していこうと考えており、既にその仕組みは作っています。

最終利益に関しては、2社の子会社を売却したことによる利益も含まれているため、大きく増えました。当期純利益の46億円には子会社の売却益も入っています。それでも、全体としては増益です。売上高に関しては、子会社2社の売却があったため、少し落ちているだけです。それでも増収となりました。つまり、7.5億円の貸倒れを除けば順調に進みました。

営業利益に関して、昨年の営業利益が62.7億円でしたが、PR・広告事業の部分で若干のビハインドがあったものの、プレスリリース配信事業(PR TIMES)が大きくプラスとなりました。ダイレクトマーケティング事業はプラス0.2億円とほぼ横ばい。HR事業でプラス2.5億円。HR事業は主にあしたのチームとJOBTVです。このHR事業でプラス2.5億円を計上し、さらに投資事業で5.5億円でした。トータルで見ると69.3億円と、きっちりと営業利益も増益したという決算でした。

 

セグメント別業績

PR・広告事業は基本的に順調に伸びており、10%から15%ずつくらい伸びています。先ほどの引当金以外は問題ない状況で、仕事もたくさん来ています。私たちPRの市場規模は1,000億円程度ですが、広告事業全体は7兆円のマーケットです。その中でネット広告が伸びています。また、テレビなどのオールドメディアの広告を避け、PRやSNS、インフルエンサーを活用し、それを動画にしてデジタル広告でスマホに届けるという手法を私たちが得意としているため、この市場自体は今後も伸びていくと思います。マーケットはこの先5倍とか10倍くらいになると思います。今よりもまだまだ伸びます。

プレスリリース事業(PR TIMES)は好調でしたが、前年が悪かった分、以前の状態に戻りました。

ダイレクトマーケティング事業は、「ターミナリア」というビタブリッドという会社の事業をずっと手掛けており、それが順調に伸びています。通販などが主です。子会社のDirect Techについては売却しているので、この分、売上には若干のマイナス影響がありますが、利益面は伸びているので問題ないです。

そしてHR事業は、あしたのチームと採用のためのメディアJOBTVの二本柱です。今回はJOBTVをHR事業の方にセグメントを移した形です。今回の第1四半期からです。あしたのチームは一時的に伸びが止まっていますが、今期、来期にはまた伸びていくでしょう。それに加えてJOBTVも今年から黒字化し、順調に進んでいます。この辺りは、今期中にJOBTVに関する中期計画のようなものを発表できたらと思っています。

投資事業は、ベンチャー投資をずっと行っています。投資もしているので減損もありますし、上場した会社の売却もあるので、バランスを見ながらやっています。最近は10億円くらいの利益が出るようにしていますが、来年か再来年くらいからは20億円くらいにしたいと考えています。今まで累計で250社くらいに投資しています。投資しているだけでなく、クライアントとして仕事をもらっているケースも多いです。13.2億円の営業利益で着地しました。また「ベンチャーTV」という新しいメディアもリリースしました。日本のベンチャー企業のNetflixのようなものでプレゼンの動画を集めたものです。現在700社くらいが登録しており、来年には1,300社か1,400社くらいになるでしょう。あと1年か2年すれば、日本でベンチャーといえばここを見れば良いという位置付けを目指しています。

 

通期業績 計画対比

期中で計画を一度修正してはいるのですが、最終利益は元から変えていないです。また、シグナルとDirect Techという子会社2社を売却したこともあるので、この部分の売上はマイナス影響があるものの、利益についてはプラスになっています。最終の当期純利益のところでは、株式の売却になるので特別利益という形で入っています。

 

セグメント別 注目ポイント 1) PR・広告事業

売上と利益の中心になっているPR・広告事業も売上、売上総利益ともに順調に伸びています。リピーターがほとんどなので、積みあがっていくタイプです。リテナー契約の件数は順調に伸びています。今回、プロジェクト件数とリテナー契約の数を公表しています。リテナー契約数は以前からです。今期は749件、さらに次の2025年2月期では840件、925件と獲得していくことを目指しています。自然に依頼が来ます。紹介もありますが、マーケットが大きいので問い合わせも来ます。

この領域で、モノを広める時に、一気通貫してSNSとPR、そしてデジタル広告で当てながら、動画を縦型動画にして一気通貫でやれる会社というのはないのです。みんなやりたいことはそうですが、対応できる会社がないのです。ワンストップでやれる会社がないのです。広告代理店もうちに頼むという構造です。PRやSNSの動画を見ていても、ベクトル監修とは出ていないですが、業界ではPR TIMESと同じように、ベクトルもみんな知っています。あとは世界が急に縦型動画やTikTok、ライブコマースなど、いろんな形になってきていますので、それに対応できる会社が個々に独立して存在しても、ワンストップで提供できる会社はないという状況です。

「戦略PR」という基本コンセプトがあり、PRという部分と、デジタル広告という部分、そしてSNSという部分があります。これを分かりやすく言うと、企業が広告をやりたい時は広告代理店に頼むでしょう。しかし、私たちは広告ではないです。どちらかというと、企業が記者発表会やメディアに広告費を払うのではなく、メディアに取り上げてもらいたい時にPRをするのです。PRの方が信頼性が高く、費用もかからないので、みんなそちらをやりたいのです。そこで私たちがお手伝いします。それに加えて、メディアの力が弱まってきている時代に、みんなインフルエンサーやSNSを使います。そこら辺も私たちに頼んでくる状況です。PRとSNSを一気通貫してやった方が効率が良いので、みんな私たちに頼んできます。SNSも広告ではないです。そこで出てきたニュースやコンテンツ自体が、少し前から動画になったのです。動画になった瞬間に、単純なコマーシャルの動画って今スマホではあまり出てこないです。もうほぼ出てこないです。だから、動画になった瞬間にもう広告自体が、この枠は広告ですがその中身はもうPR、SNSのようなコンテンツに切り替わっちゃっています。そういう意味で言うとPR会社の領域なのです。だから私たちが伸びています。それが今までだったら、PRとインフルエンサーに載せたぐらいで終わっていたのですが、これが動画になったらデジタル広告で色々と当てられます。その辺りでもう私たちはその領域だけで広められるというのが一つ。あとは、どんな企業も今はそちらで広めたいのです。そのツールが私たちには全部あるというのが一番の特徴です。テレビや新聞の広告というのも有効性はある程度あるのだろうけれど、もっと違う方法で今っぽく広めたいということです。テレビを一生懸命やるのが好きな会社もあるでしょうが、例えば私はあまりテレビを見ていません。特に若い子たちはほとんど見ていないのではないでしょうか。テレビを持っていない子の方が普通になってきているので、みんな縦型動画とか、スマホの中で広まっていく時代に切り替わってしまっているのです。ニュースとかSNSとかでそれが動画に切り替わってしまったので、その動画を色々な人にどう広めるかというのを私たちが持っているというのが一番の特徴です。

 

事例 タテ型動画広告

今回の事例は「イェーパオズ」。「ガチ中華」というキーワードで、これをPRしたい、広めたいという案件でした。実際にお店のところにきて、レビューするという動画です。メインは、店舗がオープンした瞬間に記者発表を行います。テレビ番組とかに5番組くらい、まずそこに載せます。普通に店舗オープンでやっても載らないのですが、私たちはPR会社なので、「ガチ中華」という中国本場のブームが流行っているという情報をうまく切り替えて、その辺りをテレビ番組5本とか6本くらいに入れたのです。まずはテレビです。ニュースに「ガチ中華」など色々と出てきます。その次に、SNSです。どちらかというとマイクロインフルエンサーです。普通のインフルエンサーに一気に広めて。その次がどちらかというと少し有名なインフルエンサー。ここまでが、今までPR会社とSNSの会社がやるくらいの範囲でした。今までならここで終わっていたのですが、なぜ私たちがデジタル広告の会社を買収するのかというと、これがスマホの画面だとしたら、原宿近辺を通る若い子たちとかをターゲットに、この動画を当てることができます。広告なのですが、広告っぽく見えないです。これをスピーディーにモノを広める時に、記者発表をオープンして1週間ぐらいでもう全部するのです。ただ、この店は潰れてしまいました。美味しくないのです。潰れているから言いやすいのですが、向こうの四川料理の肉まんで辛すぎたのです。ただ、行列はずっとできていた感じです。でもやっぱりリピートしなかったというのが大きいのですが、私たちはこういうブームとか、そういうのを広めたりするのが一番得意なので、こういうのが一瞬でできるのです。今、店舗をオープンしたりとか、記者発表したりしたら、みんなこういうのをやってほしいです。そういうのを一気通貫してスピーディーに、あまりお金をかけずにできる会社、というのが私たちの特徴です。

PRでテレビに出るのが私たちの職業です。例えば、イェーパオズの店を新しく出すという時に相談が来て、テレビ局につながるようにするのが私たちのメインのPRの仕事で、みんなそこを一番やりたいです。本当のことを言うとあとはお金で買えます。だからどんなマーケティング担当も広告は金を出したらできるから、どっちかといえばやりたいのです。私たちはそこの部分で圧倒的に強い会社なので伸びています。日経新聞の広告に何千万円も払いますか。記事になりますか。こちらはただです。どちらをやりたいかというと、100%記事をやりたくなります。それだけです。このPRをご支援するのがリテナー契約です。

そこからSNS、マイクロインフルエンサーとかタレントさんとかに広まっていきます。昔だったら15秒のコマーシャルを作るのに3,000万円かけてタレントをつけてすごい時間がかかりました。今は動画をババッと編集してバッと当てているだけなので、今の時代は縦型動画じゃないとみんな若い子は見ないです。だから、時代が変わっちゃっています。縦型動画になっても、すごくクリエイティブなCMは出てこないです。リアリティがある動画を私たちはパパッとやれるのが特徴です。タレントさんとかが実際に感動している場面とかをうまくパパッと繋いでスピーディーに出してあげる。これは広告として一応配信されるわけです。原宿近辺を通る人を狙って広告を当てられます。

JAXAの紹介PRも依頼が来ました。JAXAがどういうことをやっていて、そういうのを全部メディアに載っけてもらって、何のためにやっているのか取材してもらって、それがどううまくいっているかSNSを通じて流します。要は、「JAXA、宇宙に行きます」とかってやっても、広告出してもしょうがないです。広告は基本的にお金を払えば誰でもできます。だからクライアントは望んでいるわけではないです。

テレビのニュースで取り上げられる。記者発表やりながら到着して中継とかで、これもうまくやるとやらないのでは全然違います。メディアをうまく読みながら、どういう取材された時に、どういうためにどういう資料を用意しておかなくちゃいけないかとか、あと若い子はテレビ見ないかもしれないから、縦型動画で見せるとか、そういうのを全部含めてやります。一気通貫してPRとSNSと縦型動画をババッとスピーディーにできる会社はそんなにないです。もううちぐらいしかないと思います。半分くらいは広告代理店さんとかも私たちに頼みに来ていただけるのです。大きい広告予算を取りたいです。テレビCMとかするのに比べれば安いです。ピンポイントで、こういう情報に関心がある人に情報が当たっていく。PRのマーケットはもう本当に10倍伸びてもおかしくないと思っています。そこが一番私たちの強みです。10倍伸びてもおかしくない。5倍から10倍、100%伸びるぐらいある。マーケットはあるのです。そこでメインが今、テレビCMだったのが5年したらテレビもちょっと分からなくなる。10年したらちょっと分からない。でも広告予算は変わらない。そしたら今っぽいこちらに予算が全部流れてくるというのが、私たちが考えていることです。

新規事業の一環、あるいは既存の事業を強化していくために、色々M&Aをしていますけれども、このデジタルマーケティングをより強力にしていこうという形でM&Aしています。リスティング広告に強い、SEOに強い会社を買うとか、あとMEOです。MEOっていうのはGoogleマップから入るところを買うとか。Googleマップからも客が来るんです。食べログより今実は若い子もGoogleマップなのです。それがMEO。だからトライハッチという会社を買って今ナンバーワンになっているのです。

アフィリエイト広告の場合もあればリスティング広告の場合もあり、あとは縦型動画とかなので、いわゆるスマホの中でのデジタル広告という立ち位置を私たちはポートフォリオとして持ちながら、PRとインフルエンサー、SNSを武器にそれらのコンテンツをデジタル広告で当てて、モノを広めるっていうのが私たちの戦略です。今はPRだけじゃなくて、スマホの検索結果の画面がメインです。だからテレビよりスマホを若い層は見ます。その辺を取りに行っています。飲食店も実はGoogleマップから行くのです。食べログじゃないです。インスタで検索したりするので、私たちインスタでの検索も今、今度手を打っているし、XでのキャンペーンとかTikTokとか色んな要素があります。この7兆円のマーケットで今モノを広める時にXどうやる、インスタどうやる、TikTokどうやる、これがコマースで売りに入る。あとはインフルエンサーどう対応する、インフルエンサーライブコマースになるとか。あとPRやりながらクライアントは全部そこをどうやればいいか分からないです。そこを一気通貫してやれるっていうのが、私たちが狙っている立ち位置です。トライハッチは2023年3月に買収したのですけども、MEOの管理の会社です。例えば、何百店舗もある某飲食店で言うと、Googleマップ全部を1個1個やるのは面倒です。そういうところをSaaSでバンとやってくれます。あとはそこの口コミがすごく重要なので、口コミ管理しながら。そこをやりながら、デジタル広告を当てて集客する。キーワードマーケティング社も買収しています。これもデジタルの広告運用です。リスティング広告とかSNS広告の運用とか、検索結果の画面のパーツパーツを買収しています。

 

セグメント別 注目ポイント 2) HR事業

HR事業の売上高に関して言うと、2020年から比べると、どちらかというと横ばいで続いているように見えますが、利益部分では大きな改善が見られる状況です。2020年の時だと赤字だったのが、今期2024年2月期では黒字転換しているのです。これはJOBTVがだんだん収益化してきています。あと、あしたのチームは2022年のこの第1四半期のところまでは赤字でしたが、しっかり黒字転換して、そのまま黒字傾向が続いています。今期はちょっと横ばいになって、開発とか色々やっていたのですが、この開発もできました。「Cateras(カテラス)」といいます。これでもういけると思いますので、普通に伸びていくと思います。順調です。この「あしたのチーム」がターゲットにしている企業は、中小企業で従業員数100名以下くらいのところが多いです。人事評価に使います。組織の見える化、競合のカオナビと同じようなものを入れたので、これで結構戦えていけるかな、と思っています。中小企業としては従業員を登録して人事評価していく。今人手不足ですから。一人ひとりの人を正しく評価して、できるだけ定着させていく。月額課金でやっていきます。こちらがきっちり黒字化して、なおかつ次伸ばしていくためのカテラスの開発が完了したところです。

もう一つがJOBTVです。こちら急激に変化があるのです。売上高に関して2024年の第1四半期までは1,300万円と少ない水準でしたが、ビジコネットのM&Aにより第2四半期から増加しています。このM&Aには色々な戦略があります。新卒は新卒で、もう新卒メディアとしては成功しています。人事事業では人を取るのが一番大変ですがそこはできちゃっているのです。面接で一番有名な会社を営業譲渡で買っています。だから人を取るのはもうできちゃっているのです。あとは、プラス人材派遣みたいな立ち位置で、ただ新卒は大学3年生で決めても1年後、2年後になってしまいます。入社するのに1年ちょっとタイムラグがあります。これが売上になるのが今年くらいからです。あと、ちょっと1年目は値段をすごい安くしちゃったのです。ダンピング半分くらいの値段でやっちゃったのですけれど、今年からもう正規の値段にしていくので黒字にするだろうというのが一つです。あとビジコネットはメディアです。元々収益が出ているメディアを買っているので、それで売上が立っています。大学生だと4年生の時にその新卒で内定出ても、実際入社するのは1年後です。売上が当社に入ってくるのはその1年半後くらいです。1年目も結構数字は出ましたが、ここからです。どちらかというと今新卒もやっていて、転職用で、転職のメディアがビジコネットです。あとは採用コンサルもやりながら、派遣のメディアもやっていたりとかしているので、結構まだ投資しているのです。まだ投資をやっている。今期多分黒字転換するだろうという状況です。黒字転換したら、4、5年くらいで20億円から30億円くらいできるようなつもりでやっています。私たちの戦略はNetflixみたいなメディアを動画のメディアを作って、延々とそこに人が来るようなことを狙っています。HR事業での動画メディアを作るっていうのが私たちの戦略です。だからYouTubeの面接動画で有名なやつを買っていたりとかします。あとは派遣のメディアに強い会社を買いました。要は普通の人材派遣の会社とかがやる時にすごい広告をやっているじゃないですか。私たちは広告をやらずにメディアを延々とアーカイブで人が登録するようなメディアを作っていると思っていただければいいです。そこのメディアに先に投資しています。そこが結構うまくいってきているので、そうしたらメディアにも人が溜まっているのです。だから人は困ってないのです。今度人材派遣の会社を買って収益化するために、このFINDAWAYとかを買っています。これは人材派遣の会社です。これも人材のメディアをやりながら、プラス人材派遣です。ITが発達しても、結局ネットだけで全てが完結するわけではないでしょう。最終的には派遣会社など、リアルなサービスがずっと存在しているように、ネットで全てが完結しないです。しかも単価も高いので、私たちは人材領域における動画メディアで有名なメディアを作ろうと考えています。そこで既に人を囲い込むことができているため、それほど広告費をかけずに済みます。そこに人材派遣事業をつけていくのが私たちの現在の戦略です。転職も視野に入れていますし、中途採用も、派遣もやるつもりで、色々と手を打っています。新卒に関しては、既にメディアとして成功しています。なので、新卒、中途、派遣という形で、今色々と手を打っています。

JOBTVというブランドになりながら、大学生はみんなJOBTVを知っています。JOBTVで会社説明会動画をNetflixのようにみんな見ていますし、登録もしています。この人たちが中途採用や転職へと流れていきます。転職事業では、ビジコネットという転職メディアで有名な会社を買収して、そこを取りに行ったりもしています。FINDAWAYは人材派遣の会社という形で、30億円から50億円くらいの利益が出るようなHR事業を作ろうとしています。戦略は先ほども申し上げた通り、動画のメディアをやるというのが私たちの考え方です。新卒はマイナビやリクナビを見るのですが、それらのサービスは25年前からあまり変わっていません。紙と写真が主です。うちのJOBTVであれば、説明会動画を全て見ることができます。動画で見られるので、かなり違います。だからみんな説明会に行かなくても良くなってきていますし、メディアとしてはすごく成功している状況です。例えば、もうメディアには人がいます。そしたら人材派遣会社を買って、人材派遣の人がそこに加われば「1人いたら何人儲かる」みたいなモデルが既にできてきています。今年くらいにはJOBTVの事業計画みたいなものを発表できたらなと思っています。最初は、JOBTVは新卒だけでやろうと思っていましたが、そこから転職も来て、色々と広がっています。

 

セグメント別 注目ポイント 3) 投資事業

投資事業は、様々な200数社に累計で投資してきました。売却した時点で売上が立ちますが、減損もあります。投資の目利きをするメンバーは増えており、経験者もいます。私もやっていますし、経験者もやっています。ただ、もう人が集まってくるような構造を作っていて、それがベンチャーTVです。あと、私たちは35社くらい上場させているので、ノウハウもあります。これも同じで、単なるベンチャーキャピタルをやるだけではしょうがないと思っているので、要はインフラを作るという先ほどのJOBTVと一緒です。ベンチャーTVを作って、企業が社長のプレゼン動画を全てNetflixのように見られるようにしています。ベンチャー企業に投資する時、社内では投資額を3,000万円から5,000万円で検討しています。ただ、その時その時で臨機応変に対応します。投資方針に関しては、元々5年くらい前から初めてゼロからやっているので、そんなに悪くはないです。やはり100社上場させようというちょっと変な目標を立ててしまって、今35社くらいなのですが、結局100社くらいになると思います。どちらかというと、儲かっていないことはないのですが、儲けることがメインではありませんでした。100社になってしまったのです。だから、今は投資方針を変えています。どちらかというと、やはりきちんと収益を立てる。100社の場合、満遍なく100社を上場させようとしていたので今はちょっと変えています。時価総額が低く、きちんと商売的に投資事業として儲かるものに集中投資をしようという方針に変えています。直近でも4社上場しています。ハッチワーク、バリュークリエーション、W TOKYO、シーラテクノロジーズです。ここから面白くなると思いますが、ベンチャーTVを作りましたので、サイクルで回っていくような構造になってきています。

ベンチャーTVは極端に言えば、いい案件が一つ来てポンと入れたら3億円くらい儲かります。3,000万円入れても、1.5倍から3倍くらい儲かるでしょう。今は全部無料でやっているJOBTVと一緒です。全部今は無料でやっています。ベンチャー企業がJOBTVに来るし、ベクトルの営業担当も当たりに行くのですが、当たったら私たちは仕事をもらえます。ベンチャーの社長からだからPRの仕事もしています。だからエコシステムになっています。私たち的には持ち出しゼロで事業をやっても、儲かっちゃうのです。1位案件が来て、1つ入れるだけで儲かる。もう今の時点では結構分かるのです。これ入れたらこうなるなって。ちょっと5年前は全く分かってなかったのですが、今はノウハウがもうあります。投資としても儲かるけども、そうじゃなくてもPRとして儲かる。あとは、私は元々ベンチャー企業のオーナーだったので、どちらかというと社会貢献という意味合いでも、そういう社長たちを応援しよう。私たちは応援できます。広めたりすることもできるし、そんなにお金をかけずに。それで、そのベンチャーで上場した会社を手伝って私たちが有名にしたという実績はもう持っているのです。世間的にもすごい役に立つような事業モデルになっていますので、この事業自体は、日本のベンチャー業界ではPRで1位になったのですが、ベンチャーキャピタルでも1位になろうかなと思っているという意味合いでのインフラです。出資した会社だけでも200何社ですから、実際に持ち込まれている案件はすごい数です。結局、私たちはモノを広められるので、みんな来ます。ベンチャー側からしてもPRの相談もできるし、出資の相談もできる。経営者としての相談もできる。あるようでなかったものです。それをシステム化した会社もない。今1年目なので、これ2年3年見ていただいたら、多分すごく面白いと思います。今日も香港か何かのファンドが来て、アグリテックとクライムテックに投資したいと言いながら、もうこのベンチャーTVで見ているのです。アグリテックって言うともう20社並んでいるし、クライムテックって言ったらもう10社くらい並んでいます。もう全部見えちゃいます。ボタン1個で見えちゃう。事業モデルに早くと思っているのですが、多分面白いです。ベンチャーの社長も今までこの自分のプレゼンというのは大体25分ぐらい喋りますが、大体1年間に500人くらいに喋っているだけなのです。500人送っても同じ話です。もうこれ見てくれ、とLINEで送れるのを、私たちは狙っています。

 

連結業績推移

連結売上高は、2020年、コロナの直前ぐらいが396億円で、その翌年2021年2月期は391億円で、一旦足踏みしたものの、その後は481億円、552億円、そして今回の決算では592億円と順調に伸びています。しかし、基本的に売上はあんまり追っていないです。本当のこと言うと。私たちのそのビジネスモデル的に言うと売上総利益と利益を追っているので。売上総利益が15%ぐらいアップするのを毎年経営しているので、それに合わせて売上も15%アップぐらいかなと思っています。今回の場合、売却とか色々あるからこうなっています。

売上総利益は、2020年が239億円、そこから250億円、295億円、351億円、376億円で、こちらも順調に伸びています。基本は全部普通に伸びています。メインはPRかもしれないですけど、時代とともにすごく変わっていくので、それに対して対応して伸びている事業を色々うまくやっているのが特徴かもしれないです。モノを広める変化が早いからだと思いますが、次に来るようなことに対して先に手を打っています。上場していつも同じことをやっているような会社もいっぱいありますが、それだとやっぱり取り残されていきます。だから、変わらないといけないので、変わるってことは事業を作らないといけないので、私たちはそういう体質を持っています。

 

2025年2月期 連結業績予想

2025年2月期の業績予想は、売上高で630億円、営業利益で85億円、経常利益83億円、純利益で50億円、増収増益の計画となっています。20%アップメインで手を打って経営しているので大丈夫です。基本的にPR・広告事業にしろ、プレスリリースにしろ、リテナー契約があるからリピート性が高いのです。私たちが3億円で上場して、そこからずっと伸びているのも、それがベースにあります。確度高く、売上、利益の予想はできやすいです。20%アップぐらいで経営しています。利益をどんどん増やしていくよりも、一定数字を超えたらそこは投資です。3億円の時の20%と今はもう全然違うので、85億円の20%と全然違います。

セグメント別の利益の計画では、トータルで85億円の目標ですが、メインとなるのはやはりPR・広告事業で41億円、プレスリリースで19億円、ダイレクトマーケティングで12億円、HRで6億円、投資で6億円です。PRは引っかかりが去年はあったけれども、今回なく順調に行けば、41億円ぐらいいける。だから増益率にするとすごい大きくなるのだけど、20%アップです。15から20%アップぐらいをやっているだけです。プレスリリースも伸びるけど、見込みを持っていて、ダイレクトマーケティングは普通に伸びると思っているのと、HRは黒字転換するからっていうのもあるのと、あと投資はバッファー(ゆとり)を見ているだけなので調整できます。

PR・広告事業では、海外で2024年2月期は苦戦がありました。コロナの回復は、日本はすぐ戻りますが、海外事業はちょっと遅れます。日本企業が海外に出ていっているのをサポートしますが、例えばコロナが終わった瞬間、日本企業はすぐやりますが、日本企業の海外で和食を広めたいとか、そういうのを私たちは受けます。だけどちょっと予算が遅れたのです。だから海外は、今年黒字転換します。コロナの回復が1年遅いです。不採算事業の整理や新規事業の黒字なども見込んでいます。オーガニック成長、リテナー件数増加、クロスセルもありますが、一方で新規投資もしていきます。トータルで見るとPR・広告事業、今回27億円の利益だったところ41億円まで行く計画です。事業をいっぱい作っています。表に出てない事業も色々あります。後々発表していくと思います。

 

中期利益計画

中期経営計画では、2025年2月期の営業利益は85億円の目標で、もう1期先2026年には100億円と発表しているので、やるつもりでやっています。全然不可能ではないです。どちらかというと、これ以上をどちらかといえば私は今見ているので、だから新規事業とか色々やっています。

セグメント別で見ると2026年に向けて、やはりPR・広告事業が伸びるというところです。プレスリリース事業も、それぞれ伸ばしていって100億円に到達しよう。ROE25%を狙っています。アメリカの企業みたいな数字ですけれど、2024年今回の決算の時点では32%を実現しています。自己資本については、30%以上を目標にして、無理にレバレッジを効かせてROEを高めるのではなく、きっちりと自己資本も維持しながらの計画です。

 

株主還元施策

株主還元は、配当性向30%です。今回で言うと29円の配当です。2024年4月22日の終値が1,244円でしたので、配当利回りにすると大体2.3%くらいの配当利回りになっています。

今回自社株買いを大規模にやりました。自社株買いはずっと検討している状況です。やれる時期とやれない時期とか色んな制限があります。それもあり、やれるタイミングだったのでやりました。2024年の1月、全体で12億円ほどの予算、株式数にすると100万株ほどの自社株買いで、かなりの規模でした。基本的に、PRビジネスは設備投資とかの資金が要らないビジネスモデルなので、還元しやすいビジネスモデルになっています。今はM&Aとか投資とかが入っちゃっているので、そうなっていますが、それでも普通に比べると設備投資がいるビジネスモデルではないです。今後も配当性向は30%で考えています。タイミングがあれば自社株買いも検討していきます。

順調に進んでいます。株価もそんなに高くないと思いますので、ぜひ皆さん買っていただけるとありがたいなと思っています。よろしくお願いします。どうもありがとうございました。

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