サイバー・バズ(7069)髙村社長にインタビュー!インフルエンサーの登場を予感!ソーシャルメディアマーケティングのトップランナー!
【7069】サイバー・バズ
| 開催日 | 2023年 11月 17日 |
| 出演 | 髙村 彰典 代表取締役社長 |
サイバー・バズの髙村社長に事業内容、業績等についてインタビューしました。
ミッション・事業内容
サイバー・バズはコミュニケーションを価値に変え、世の中を変えるという大きなミッションを持っています。世の中を変えていくために、人と人がコミュニケーションを取ったり、リアルでもコミュニケーションを取りますし、今だとインターネットであったり、電話であったりコミュニケーションを取っていく中で、そこで生まれてくるところから、それを新しいビジネスに変えて、そこで新しい付加価値を作って世の中を変えていけたらいいなということが我々のミッションとして持っているところでございます。軸足はインターネットに置いています。やはりインターネットの市場というものは、既存の固定概念を変えていけますし、まだまだ成長市場であることを考えると、やはりここでビジネスを展開していくということが、我々としては非常にやりやすいです。世の中を変えるという意味でいうと、特にこのインターネットの市場というのは非常にやりやすいと思っています。社名の「バズ」には、「広めていく」という意味合いがあります。
我々はインフルエンサーを中心とした、SNSのマーケティング会社を主軸に置いております。基本的にインフルエンサーは、いわゆるタレントのセレブリティから、読者モデルさんみたいなミドルの層もあれば、我々のような個人がSNSをやっていれば、そういう人たちも基本的にはインフルエンサーと言えます。大きくは「NINARY(ニナリー)」と「Ripre(リプレ)」という、特にインフルエンサーを活用し、活躍していただくサービスがあります。ニナリーは基本的にはインフルエンサーをキャスティングしていくサービスでございまして、リプレに関しては本当に一般のSNSをやっている人たちをかなりネットワークで会員化している状況でして、こちらは基本的にはサンプリングを行っていくビジネスでございます。試供品を提供して、それをそれぞれのインフルエンサーさんが自分のブログ、ツイッター、Facebook、インスタといったところで投稿していただきます。インフルエンサーさんのキャスティングのほか、TikTokの特化型メディア「to buy」もあります。もともとto buyは少し違うビジネスで立ち上げましたが、やはり最近のTikTokのユーザーの伸びを考えると、to buyというサービスで、自分たちでTikTokの投稿をしていって、フォロワーを集めて再生回数を伸ばしていくというのがTikTok特化型のメディアでございます。サイバー・バズ自身がこういうメディアを運営しています。そしてもう一つが「BRIDGE(ブリッジ)」です。こちらはソーシャル(企業)のアカウント、SNSのアカウントを我々の方で企画からクリエイティブを考えて配信管理をして、エンゲージメントを高めていき、ここから企業の売上を上げるのに貢献できるような取り組みをしているコンサルティングサービスでございます。今我々の主力の広告をよく相談いただくのは大手の化粧品メーカーの広告主が多いです。特に化粧品が多いのと、日用品、最近では食品も増えてきています。やはり企業がターゲットとしたいユーザーに対して、インフルエンサーを使ってフォロワーを分析して、ターゲットがこれぐらいいるから、こういうリーチをしていきたいと相談があります。例えば、若い人向けの化粧品であれば、若い女性のインフルエンサーに取り上げてほしいとかがあります。あとは若い人がフォローしている人たちがもし若くないインフルエンサーであれば、そこは中身をちゃんと分析して、提案させていただくこともあります。この企業のこの商品にはこのインフルエンサーがいいだろう、と提案します。企業ごとにアレンジをして、実際に消費者に訴求していくイメージです。今の若い世代、20代は特にそうですし、30代もかなりSNSを使ってきていますので、そこにユーザーがどうしても滞在時間が長くなってくると滞留しているので、やはり企業のマーケティングとしてSNSを外してやっていくっていうのは結構難しくなってきていると思っています。若い人たちは新聞や雑誌を読まず、テレビも見ない。ほとんどスマホの世界にいると思います。だから彼らにリーチしようと思ったらSNSインフルエンサーの力を借りないとなかなかリーチできないです。時代が経過するほど、テレビ世代、新聞世代はどんどん高齢化していく。なくなることはないと思いますし、ある程度のマーケットは、テレビも強みもあると思いますけれども、今のデジタルネイティブと言われている10代とか20代前半の方が10年後を考えるとインフルエンサーだらけの市場になると思っています。今の10代の子たちが30、40代になったからって突然新聞を読むようになるとか、テレビを見るようになるって考えにくいです。あとはスマホで見ている。少なくとも紙では見ないでしょう。
創業の経緯・事業への思い
このサイバー・バズを起業する前、もともとサイバーエージェントの広告部門の立ち上げをしておりました。創業期の1999年にサイバーエージェントに入社いたしました。まさに毎日、日経新聞にAmazonとかITの情報が出てきた時です。藤田社長と大学が一緒だったということもありまして、共通の友人から声をかけてもらい、「ベンチャー立ち上げたから」というので藤田さんに会いに行きました。「髙村くん、これからの時代は若い力とインターネットで日本の経済を変えていかなきゃいけないのだ」と話をもらって、それで一撃で感化されました。入った時5人ぐらいしかいなかったです。サイバーエージェントを自分たちででかくしていったわけです。僕はずっとインターネット広告の部門の立ち上げをしておりまして、2005年から2010年まではサイバーエージェントの役員をしておりました。2000年代後半ですでにすごい会社でしたが、またさらに伸びているというのは見ていてすごいなと思いますし、やっぱりそこに僕らの会社もちゃんとついていきたい、追い越すっていうと失礼かもしれませんけど、そういうところを目指してやっていけたらいいなと思っています。
このサイバー・バズはもともとサイバーエージェントの子会社として、僕が担当役員の時に2006年に作った会社です。アメブロもかなり投資をしていたので、ここもちゃんとマネタイズしていこうということがあって、「じゃあ専門の会社を作ってやった方が早いじゃないか」ということで、サイバー・バズを2006年に立ち上げました。会社を作って、僕は2010年のタイミングで取締役の方を退任しました。藤田さんに「僕自身も次の経営者を育成していく」と話しました。サイバーエージェントの経営者を育成していくっていうこともありますし、僕自身も藤田さんと仕事をしていくこと自体に対することはずっとやっていきたいとは思っていました。けれども、やはり僕自身が30代のうちに自分自身で何か新しい価値をインターネットとか世の中に出していきたいっていうのが結構強くなってしまいまして、それであれば次のサイバーエージェントの経営者を誰かに育成も含めて任せていきつつ、自分も新しいチャレンジを30代のうちにやっておきたいなということで、サイバー・バズの社長としてやることを決めました。サイバーエージェントの取締役を辞めることについて、めちゃめちゃいろんな人に言われましたけども、僕と変わった新しい経営者、今の役員陣に変わったことで会社が伸びた気がします。僕がそのまま続けたらあの今の規模にできなかったような気がします。
サイバー・バズで新たな挑戦を始めたわけです。サイバー・バズももともと、YouTubeとかインスタとかではなくて、その前の時代からです。それでちょっと退任するタイミングの時に、ちょうどスマホが2008年ぐらいにiPhoneが出てなんとなくガラケーからスマホに変わっていくタイミングがありました。2006年にTwitterが出てきて、Facebook、mixiとかがありました。スマホになった時に投稿する写真が撮れて、すぐネットにつながっていくので、いわゆるパソコンの小さい版みたいな雰囲気により変わってきていて、なんとなく投稿する個人のメディア化みたいなものが、違うリソースに変わっていくかなぐらいしか考えていませんでした。新しいのが出てくる。その時にいわゆるアルファブロガーを僕たちは扱っていました。もしかしたら、ちょっと違う人たちも出てくるかなぐらいな感じでした。アルファブロガーは今でいうインフルエンサーです。すごい発信力が大きいブロガーです。インフルエンサーの前の言葉です。その時はまだそこまで変わると思わなかったのですけど、取り組みをしていきました。やはり起爆剤はinstagram(インスタ)です。そこで一気に写真を投稿していく。ユーザーが簡単に投稿してアップしてフォロワーを増やせるものが出てきたので、そこでインスタが普及したことによって、いわゆるインフルエンサーという市場が一気に出来上がったような気がしています。実感はありませんでしたけれど、「増えてきたから、どちらかと言うと、早くここでビジネスをやらなきゃ」と思い焦りました。インフルエンサーを活用したマーケティングでは、おかげさまで国内でも比較的上位でやっています。アメブロの時代からアルファブロガーの時代からのノウハウがあるので基本やりやすかったです。あと昔からの広告主さんもたくさんいらっしゃります。お客さんに提供するものがブログからインスタとか、Twitterとか、今だとYouTubeとかありますけれど、提供できる自社のプロダクトが増えたっていうのが大きいかもしれないです。すでにもうお客さんがいたわけです。
2023年9月期 業績
2023年9月期は、売上高は約35%増の57億円で堅調に増収できました。もともと当初も55億円ぐらいで見ていたので、そこよりは大きく増収できました。粗利に関しても堅調に伸びておりますし、少し粗利率のポイントが下がっておりますが、営業利益、当期純利益に関しましても、基本的には予算通りほぼいけました。粗利率(売上総利益率)が下がった要因は、自社プロダクトもかなり順調に伸びてはいるのですけれども、TikTokがかなりこの1年伸びた部分がございまして、そこの部分の粗利率が少し下がってきているという部分がありますし、あとは動画制作も行っていますので、どうしてもそのあたりでちょっと粗利率が下がり気味になってしまうということがございます。
5年間の売上の経年変化を見ますと、2022年9月に急激に伸びています。当初はコロナでかなり苦戦していた部分はありましたけれど、この2021年あたりで徐々に人が外に出始めて、インフルエンサーの活用する量も増えてきた部分がありまして、ニーズが非常に高まってきたということが非常に大きかったと思っています。あと、広告主にSNSの予算化がされてきたことが非常に大きかったです。インフルエンサーだけの提案から、もう少し他のSNSも見てくれないか、とニーズがちょっと高まってきてここで大きく伸びてきています。広告主の中でSNSが一つのカテゴリーとして認識されました。インターネット広告は大きいです。この中に動画がありいろんなカテゴリーに分かれますが、SNSはたくさんありますし、ここだけを見ていくのも専門的にやっていないと難しい部分がありますので、SNSの予算として見てほしいというのがこの1、2年増えてきています。
このSNS広告市場は1兆円を超えてきておりまして、おそらく今インターネット広告市場は3兆円を超えている状況ですけれども、3分の1ぐらいに迫ってきている状況でございます。広告費の比率の推移として、インターネットが伸びてきているのです。でもインターネット広告の比率は世界だと多分6割ぐらいです。日本はまだまだ上がると思ってはいます。今で43.5%ですけど50%は超えてくると思います。その代わりにテレビや新聞などのマスコミの4媒体は下がってきています。世界に比べたら、日本はまだまだマスコミが強い状況だと思いますし、逆に言うとインターネット広告が伸びる余地はあると思っています。その中でソーシャルメディアのマーケティング市場が伸びています。ここにユーザーがたくさんいるということは、企業側からすれば使わざるを得ないです。2023年で1兆円です。来年に1兆2千億円です。さらに2027年には1兆8千億円です。伸びている実感はあります。やはり広告主と会ってもSNSの話が結構出てきますし、インフルエンサーの話もそうです。「どこで最初に広告を出していくのですか」って言われると、やっぱり検索かインフルエンサーを使ってきます。この広くSNSのマーケティング市場の中でも、さらにインフルエンサーを使った部分がサイバー・バズの得意なところですが、この市場もやはり伸びています。この市場も再来年ぐらいが1000億円ぐらいとデータ上は出ております。成長率は高いです。ただどうしても全体のマーケット規模としてはまだ少し小さいサイズなのです。成長率も高くはなりやすい部分はありますけども。2023年で741億円ぐらいの市場規模とみています。実際はもしかしたらもっとあるかもしれません。この中でサイバー・バズの売上57億円は、結構大きいです。マーケットがまだまだ増えるわけだから、シェアを維持していくだけでも結構成長が期待できそうです。今の比率をしっかりやっていくだけでもそこは十分伸ばしていけます。その分やはり競合も増えてくると思いますし、インフルエンサーを扱った会社がたくさん出てくるので、このあたりを差別化していきつつ、第一人者としてリーディングカンパニーとして引っ張っていけるかということは結構大事と思っています。
2023年9月期業績(セグメント別)
売上高全体では57億円で内訳を見ると、SMM事業(ソーシャルメディアマーケティング事業)の売上が約53億円で、新規事業が4億円になっています。
SMM事業は、さらに3つのカテゴリーに分けていまして、一つはインフルエンサーサービスというカテゴリーになっています。売上高が20億円で粗利が12億円になります。先ほどあったリプレ、ニナリーとかto buyといった自社のインフルエンサーのプロダクトを中心として、インフルエンサーサービスとしてカテゴリーを分けさせていただいております。粗利率で言うと61%ぐらいです。原価に関しましては、ニナリーに関しては広告費ですので、インフルエンサーへの支払いが発生しています。to buyとかリプレに関してはサンプルを送っているという形ですので、それほど大きく原価がかかっているというものではないです。残りがこの粗利になっています。このニナリー、リプレですけれども、四半期ごとの売上変動があります。だいたい第1四半期と第3四半期が非常に調子いいというのが例年の季節的要因としてあります。化粧品とかのニーズとしては、やはり第3四半期というか4月から6月に結構広告費が増えます。例えば、日焼け止めとか、夏に向けての広告がボーンと出るのがあります。我々の広告主の決算月が12月になることが結構多くて、それで第1四半期(10月~12月)、冬に向けてここで広告を打っていくというのが比較的多いです。ただ今回インフルエンサーのマーケットが伸びているなと感じるのは、この凸凹がこの第2四半期に関して言うと、全然落ちず伸びています。ここがインフルエンサーのマーケットが季節的ではなくても使われるようになってきているのかなと思います。
ニナリーはマイクロインフルエンサー以上を扱っているサービスでございます。読者モデルさん、一般の方よりも投稿に対してもいろいろ考えながら投稿していて、フォロワーが何十万人とかいるような方々たちです。プラスセレブリティのタレントの人たちを我々が扱っています。トップインフルエンサー。これは誰でも知っている人みたいなイメージです。かなり有名な方々もいますし、あとはこの中にYouTubeとかTikTokも入ってくれば、またいろんな人たちが今増えてきているいろんなプラットフォームの人たちが増えてきているという状況です。このトップインフルエンサーとかマイクロインフルエンサーに対して、商品の紹介をしてもらう。ここは本当に広告と同じ扱いですので、基本的にはしっかりと広告の表示をしていただいて、広告主から「こういうふうに広告としてやってほしい」ときちんと説明がある感じなのと、あとはどうしてもインフルエンサーの方々は個人なので、個人の気持ち、感覚で答えてしまう部分はどうしても出てしまうところがあります。この方たちにはサイバー・バズとして報酬を支払います。ニナリーに関しては広告ですので報酬を支払っています。リプレはただのサンプリングのプロダクト事業ですのでサンプル品を送って、関係性の明示をしっかりと表記していただいて、あとは思ったことをSNSにアップしていただく感じです。ナノインフルエンサーの人たちは報酬(お金)をもらうわけではないです。あくまで、例えば自分が好きな化粧品会社の試供品(サンプル)をもらって、自分でインスタとかにアップするわけです。全員がやってくれる保証はしづらいです。ナノインフルエンサーの人たちはやっぱり企業の新商品とかをまず先に自分で経験できるのでしてくださります。あと、商品名とかを一緒に投稿することによって企業側としては口コミが結構たまっていきます。反対にそこでいい内容の投稿もあれば、ちょっとネガティブなものがあれば、逆に感じている部分をもう一回修正できる。企業側としてはさらに商品をブラッシュアップしていくにもいい参考な意見にもなるのかなと思います。マイクロインフルエンサー、ナノインフルエンサーが、企業側が期待しているような投稿をしてくれるとは限らないです。ニナリーは広告としてやっているのでそこまで大丈夫ですけど、リプレに関してはちょっとコントロールしづらい部分でもあります。
競合は今だとAnyMindさんとか結構インフルエンサーに最近力を入れているなという感じはしていますし、もともとUUUMさんはトップインフルエンサーを集める。我々はそれよりももっと数で勝負していこうという感じではあります。リプレだと今1万人以上いますし、ニナリーも多分2,000人ぐらいいると思いますけれども、基本的に我々の方でリクルーティングしています。あとは問い合わせも来ます。会員登録のページからサイバー・バズのインフルエンサー会員になりたいとインバウンドで来る部分と、我々の方で「この人たち、すごく伸びている」って見つけて、リクルーティング部隊が声をかけて会員になっていただきます。ニナリー会員になりませんか、リプレ会員になりませんかということを提案します。最近だと特にリプレもニナリーもTikTokのインフルエンサーを集めています。社内にヘッドハンターがいます。最近トレンドでこういう人がトレンドだったり、めちゃくちゃフォロワーが伸びたり、反響が高そうな人をピックアップしていきます。ニナリーであれば、次はこういうインフルエンサーがいいじゃないかみたいな、こちら側から探せるような仕組みとかもあり効果が出やすいです。こちら側でエンゲージメント、コメントが結構多かったとかデータがあるので「この商品にはこのタイプのインフルエンサーが効きそうだ。じゃあこのインフルエンサーと似たインフルエンサーを探してこよう」という感じです。その辺のノウハウはかなり溜まってきていると思います。広告主も同じインフルエンサーでやりたい場合もあれば、ちょっと新しい人でやりたい場合もあったりしますので、この辺は企業のニーズに合わせて使い分けていきます。昔からやっているサイバー・バズだからこそできる部分があります。
2つ目がSNSアカウント運用です。これはインスタ、LINE、TikTokとかの企業のSNSのアカウントを企業側が運用して、フォロワーを増やして企業の情報、サービスを日々伝えていくサービスです。企業でも自分たちでできるっていうことと、ちょっとお願いっていうことがあるわけです。まずはSNSアカウント運用だけで、しっかりとコンサルティングサービスとして手伝わせていただいて、その状況の中でフォロワーを増やすというパターンと、広告も使ってフォロワーを増やすパターン、どちらも存在している状況です。一時的に開発コストが乗っかっていた部分がありますけど、一時的な開発案件が2022年なので、基本的に微増ぐらいの感覚です。強烈な労働集約ビジネスになっていまして、単価が低いです。なので、今までのやり方だと収益性がかなり悪化してきていたので、ここ半年くらいで一気に収益が出せる体制に全部見直しまして、全内製から一部外注を使うとか踏まえて、これを請けても利益ができるような体制が今だいぶ整ってきましたので、ここからしっかり拡大していきたいなと思っています。社内では会社のSNSアカウントごとに担当者が決まっていて、それぞれの人がどんどん運用していきます。そこに人の稼働がかかっていたことが分かりまして、蓋を開けてみるとあまり収益性が高くないという部分があったので、クオリティは下げないけども、収益が出る体制に見直し中です。
3つ目がインターネット広告販売で、こちらは基本的にはSNSの純粋な広告です。粗利率が他の2つと比べると低めです。売上高24億円に対して粗利が5億9千万円ですので、24%ほどの粗利率です。こちらのインフルエンサーとかSNSアカウントを提案していく中で、企業側からSNSの広告を全体的にやってほしいという相談をいただいて、予算を預かって運用していく形になっていくので、SNSの運用広告自体を我々の方で請け負っています。インスタやTikTokの広告を我々の方でサポートさせていただています。あとは動画のクリエイティブ制作費用もここに入ってきています。だからその原価としてはそういった広告枠を買う費用、動画制作費用が原価として発生します。こちらは四半期ごとで見ると強烈に伸びています。僕らの予想以上にSNSに対する広告のニーズが高まっているというのは、数字を見ると分かりやすいです。ただ、粗利率という意味ではこのビジネスの性質上、このインターネット広告販売は低めになってしまうという現状があります。引き続き自社のプロダクトとかメニューをさらに開発していって、収益性、利益率を担保していくように考えています。だから、売上全体の中でこのインターネット広告販売の割合が大きくなると、どうしても会社全体として見たときには粗利率がちょっと下がってしまう傾向にありますので、ここをいかに下げないようにしていくかというのが一つの経営課題でもあります。でも、インターネット広告販売が伸びていること自体は、我々がSNSの広告の中で予算を預かれているという証で、非常に嬉しいです。そこで粗利率が下がることは何とかしていきたいです。
ステルスマーケティング規制 法規制強化への対応について
2023年10月からステマ規制が厳しくなりました。今まではネット上でステマと言われている、いわゆる広告表記がなくて、その商品対価をもらっているにもかかわらず、広告ではないような見せ方、ステルスマーケティングがかなりあり、消費者庁とかに対する問い合わせ、クレームみたいなものも結構入っていて、さすがにこれはまずいだろうということで、やはり国の方から「これは広告ですよ。分かった上で購入していますか」ということをしっかり伝えなきゃいけないというような流れに大きく変わってきた部分があります。この規制が入ることは、僕らとしては確実にプラスに働くと思っています。もともと我々のガイドラインがそれなので、ちゃんとルールを守らずにやってきたものができなくなる広告主、インフルエンサーも増えてくると考えると、そこはきちんとやらなければ、ステマをした会社側が全部開示されて罰則があるということなので、やりすぎていると評判も悪くなりそうです。そもそもサイバー・バズとしては、元よりちゃんと広告であるということを表示してやっていましたから、やってなかった会社たちは困っているだろうけれども、我々は全然問題ないです。その表記の状態でどう効果を上げるかをずっと取り組んできているのでむしろ追い風になってほしいと思っています。
ニナリー、リプレに登録している人の中に、広告じゃないようなやり方で拡散してしまう人が出てくる可能性があります。我々としては事前と事後でチェックを投稿の際にしていまして、事後も社内と社外とダブルチェックしているので、その表記があるかないかとか薬機に関しても結構チェックするようにはしています。薬の効果、効能とかを変に言ってしまうケースもあります。薬機法でここはきちんとやらなければいけないので、しっかりチェックをしています。最近リリースを出させていただいた「RiskMill(リスクミル)」という、AIとかを使いながら、まず一次チェックできるような取り組みもやっています。AIで原稿中に関係性の明示がないものがパッと出てきたので、それに対して「これはダメですよ」、PR表記ある、ないも含めてなんですけど、ある程度決まったターゲットの文章を入れておくと自動的に見つけてきてくれるのを一次的にやりつつ、その後今までのルールも当然適用しながらやっていって、まず、最初に出てくる数をここで少し減らせるかなという部分もあって、AIを使って効率的にちゃんとコンプライアンスを守っていることをチェックしていきます。ここはいろんな使い方ができると思いますし、インフルエンサーにこれ自体を提供することも可能ですし、外販していくようなことも今は考えています。このステマ規制は違反した時に罰則があるのは広告主の方です。インフルエンサーに対してではなく広告主にあるので、広告主としては「ちゃんとしたところにお願いしないと怖い」という感覚になっています。そういう意味ではサイバー・バズは安心です。最後、炎上して広告主が困ってしまうよりは、事前に何とかして防いでいくというのも大事な役割と思っています。業界の変化に機敏に対応しています。
競争力の源泉
基本的にインフルエンサーもそうですし、SNSマーケティングもそうですけれども、基本的には過去も含めたノウハウ、データを中心として、いわゆる一気通貫的に総合的に提案できることは、SNS領域での我々の強みと考えています。このインフルエンサーが効果的だとか、この商品にはこのインフルエンサーとかデータが非常に豊富にある、あとSNSのアカウント運用もやっていますので、アカウント運用をやりながらどうやったら効果が出るかといった部分もあります。先ほどお話しした自社プロダクトもto buyとかいくつも立ち上げていっているので、広告主のニーズに合うものがなければ作ることもできることが我々の強みと思っています。データに基づいて客観的でなおかつ横断的、総合的にいろんなサービスを提供できます。消費者の皆さんの購買行動モデルに応じてサポートもできます。若い人たちに向かってSNSを使ってリーチをさせてという、いわゆるここは普通の広告のプロモーションの流れに近いですけれども、そういったこともSNSを使えば基本的にはできないことはないです。インフルエンサーを活用したり、SNS広告を活用したり、公式アカウントを活用したりしながら総合的にこういう認知を高めていくサポートができる。そこにクリエイティブを細かく新しく作り直したり、たくさんまた作って効果検証したりっていうのを繰り返しています。
インフルエンサーをやっている会社さんはたくさんあるかと思いますけれども、やはり企業の広告主のニーズを考えると、使いたいインフルエンサーも同じ人ばかりではない。一人の人に頼みたいという場合もあれば、価格的にいろんな人に取り上げてほしいということもあります。今度新しくエージェンシー事業を始めますが、いわゆるSNSだけ我々の方で取り扱っていきますよというような、まずはYouTuberとかタレントさん、事務所には所属されているのですけど、SNS領域だけ苦手な人たちって結構多いです。そこだけ我々でお手伝いさせていただきますよ、といったようなサービスを始めていきます。これから専門分化していくのでしょう。インフルエンサーもいわゆるフォロワーが多ければいいっていうものでもなくなってくる。エンゲージメントが、専門性が高くてよりそこに興味が強い人たちを持っているのもこれからは大事でしょう。
2024年9月期 業績予想
今期2024年9月期は売上67億2千万円で約16.7%伸ばせればなと考えていまして、営業利益は少し今回新規事業に結構投資をしていく予定でございまして、一旦新規事業投資をした状態で、来年も営業利益4億7千万円まで伸ばしていけたらなと考えているところでございます。ある程度人はだいぶ揃ってきてはいるのですけれども、どうしても今後SMMの成長と新規事業をこれから加速させると考えると、やはり人が足りないので積極採用していく。人を増やして新規事業の種まきを準備していきます。そのために新しい組織Next Core Unit(NCU)という事業体ですけれども、今まではソーシャルメディアマーケティング事業を中心として売上を伸ばしてきていて、まだマーケットもこれから成長するので、売上と収益性がある程度安定してきたので、ここの収益ができた部分を元に新しい事業へ種まきをしていくという部分で、SNSの周辺サービスを立ち上げていきながら、将来的には3年後、5年後の大きな事業への投資をやっていきたい。このNCUでしっかりと収益性が高い事業、成長性が高い事業をしっかり専門的にやっていく。今は子会社が4つほど下に入っています。あとはM&A、新規事業の提携をこの部署で積極的に行っていきます。今のソーシャルメディアの事業は、事業の中でやってきた部分だと、どうしても出す範囲がそこに寄ってしまうので、もう少し幅を広げるためには、ちょっと違う脳で考えていける舞台を作る。どうしても既存の事業の中でいくと、その延長線上でメニューを作るみたいになってしまうので、ここはもう事業を作り切り分ける。時間軸1、2年の事業と3~5年の事業というセグメント2つに分けていきたいと考えています。これにお金を使うので、売上が伸びる割にはそこまで営業利益は伸びないです。また、さらに今、もし来年立ち上がってきたものがかなり伸びるかなと思うと、ちょっと業績修正してでも突っ込もうかなっていうのを考えています。
セグメント別で見ると、インフルエンサーの事業とインターネット広告販売といういわゆるインフルエンサーとSNSの広告予算が来年度も需要としては高まりそうだということで、大きく多分ここは2つ、アカウント運用事業も伸びますけれども、それも額で考えるとこの2つが大きく伸びてくると考えています。今11月終わりぐらいになってきていますけれども、非常に業績として受注の傾向としては悪くないと思っております。新業種チームがあります。ここは新規でやっていきますけれども、既存のお客様は継続率も比較的高いですし、あとは既存のお客様からまた紹介していただくケースも増えてきているので、口コミとかリピートで結構いきます。大手の方はあまり新規を考えているという感じでもないです。飲料とか食品とか今まで取引がまだ少なかったところで、伸びそうなところにしっかりと、最近アパレルとかもSNSを使い始めているので、インフルエンサーをこういったところも少し業界的に広げられたらいいなと思っています。食品ももともとあったと思いますが、我々の顧客としてちょっと少なかったのです。ここをしっかりともう少し取り組んでいきたいです。もしかしたら金融とか不動産もSNSで使ってくると思います。あとビジネスチャンスとして、最近いわゆるなりすましとか偽物も増えてきているので、ここをしっかりと「この企業のものは本当にちゃんとしたものですよ」と我々の方がもっと伝えていけるようになってくると、本物の価値が高くなると思っています。サイバー・バズがやっているからこそ安心になるといいです。
2024年度 キーメッセージ
ソーシャルメディアのマーケティング事業は引き続き大きく成長していくと我々も考えていますし、ここを伸ばしていこうと思っています。そこに新しくプロダクトをどれだけ作っていけるか、生み出していけるかということが重要になってきますので、2024年、2025年は新たなプロダクトをかなり意識しながら経営をやっていきたいと考えています。新しい投資をして作っていかなければ、やはりどこかで成長が止まるかもしれないですし、これだけ変化が激しいので、10個、20個やって1個、2個当たるぐらいの感覚だと思います。我々の規模で投資できる限界もありますから、その中でどれだけ新しい種まきができるかどうかということが、やはり今後の経営については、お金がたくさんあれば別ですけれども限界もあるので、できる限りできる経営を伸ばしながら、どう新しい挑戦ができるかっていうのが今後のテーマです。
投資先のWith LIVE(ウィズライブ)はオンライントークをやっている会社ですけれども、最近ガチャとかも始まっていて、こういう部分はB2Cとして我々として伸ばしていけると思っています。ウィズライブでは、有名なアーティストと一緒に1分いくらとかで1対1で話ができます。アーティストだったら地下アイドルとか自分だけの時間を使えますけれど、ここはまだビジネスの展開として我々と広告メニューをセットで作ってみて、今後伸ばせる領域も非常に高いかなとは考えていますし、残りの2つの事業に関しましてもSNSを使えば新しい取り組みがまだできるような気はしています。「DETEKURU(デテクル)」というサービスも、企業とクリエイターを結びつけて、企業側がこういう素材が欲しいとか動画がたくさん欲しいということに対応できるようなマッチングのプラットフォームですけれども、非常に可能性は高いと思っています。
個人投資家の皆さんへ髙村社長からのメッセージ
我々の会社はSNSを中心に事業を展開して、今インフルエンサーを中心に展開をしていっていますけれども、これからはSMMというソーシャルメディアの領域もリーディングカンパニーとしてしっかりと引っ張っていきたいと思っています。その中でも、先ほどお話ししたとおり、新しい事業とプロダクトに対する投資を引き続き行っていって、3年後、5年後にまた新しい事業をたくさん生み出していければいいなと考えておりますので、ぜひ我々の挑戦を応援していただけると非常に嬉しいです。ありがとうございました。
