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映画・アニメ業界研究


映画・アニメ業界についてです。

映画業界は、興行収入の推移をみると意外と安定した横ばいで成熟業界ということがわかります。2000億円ほどの規模です。

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映画の入場者数と平均料金の推移をみると、年間1億6千人ほどが見に行き、1回1200円~1300円くらいということです。

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興行収入という言葉はよく聞きますが、映画館の売上のことです。みんなが支払ったチケット代です。

アメリカの映画市場は、伸びています。中国も躍進しています。人口増加と一人当たりGDPの増加によると思います。

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興行収入が10億円以上になるとヒット作と言われます。

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映画の仕組みをみましょう。

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まず、映画を企画する製作会社が企画をします。そして制作会社が製造します。これを映画館で上映するために、映画館に卸す卸の会社があります。それが配給会社です。映画館が多数あるため、制作会社が直接映画館に営業するのは大変なため卸が存在します。そして、配給会社が卸した興行会社(映画館)で上映されます。たとえば、興行収入が100億円になると、映画館の取り分は、だいたい50億です。残り50億は配給会社にいき、そこからP&A費を控除します。P&A費とは、プリント代と広告代のことです。それら経費が10億円かかり残り40億円のうち、配給会社の取り分は8億円、20%ほどです。残り32億円から製作費が10億円かかったとすると、残り22億円が利益となります。

この事業のリスクは、映画がヒットするかどうかにかかわらず固定費がかかることです。固定費は、製作費とP&A費です。上の例でいうと製作費10億とP&A費10億円の20億円は上映する前から発生している費用です。ですので、思ったように興行収入が上がらなかったり、何かスキャンダルなどで上映中止などにでもなれば、非常に困るわけです。ギャンブル的です。似たような業界でいうと、ゲームや出版などが特に近いです。

そうすると、制作会社からすれば、1度売れたものはシリーズものにしたいわけです。また、別の媒体(アニメや小説)で売れていて、映画化すればある程度興行収入が見込めるものを制作したいわけです。これは、この業界の仕組みによるのです。リスクヘッジをするために、シリーズもの、定番もの、原作ものを映画にするとリスクを押さえられるわけです。

もう一つリスクを押さえる方法は、製作費をみんなで分担する方法です。映画会社や配給会社、テレビ局、出版社などがお金を出し合って、製作委員会を作る方式です。

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もし映画がヒットすれば、ゲームソフト会社はゲームを販売できます。玩具会社は関連のおもちゃを売ることができます。DVDを販売したりやオンデマンド配信することもできます。テレビ局はテレビで放送できます。出版社は本にして出版できます。映画に出資してくれた企業に映画の二次利用をする権利を与えるのです。出資した企業は、分担して出資することでリスクを押さえながら、映画がヒットした時には二次利用権を使って稼ぐことができるわけです。もちろん映画の興行収入も分配します。

映画と同じことがアニメでも行われています。テレビアニメであれば、視聴率によって、スポンサーからの広告収入が決まってくるので、リスクの性質が同じです。

製作委員会方式のメリットはリスクを分散できることと、キャッシュポイントの多様化に対応できることです。キャッシュポイントの多様化とは、映画がヒットした時に放映や出版、ゲームなど収益化できるポイントが多いので、その多様化に対応しているということです。

アニメ産業を次にみていきます。アニメ産業にみなさんがお金を使っている内訳の推計を見てみましょう。伸びています。特に海外が伸びています。遊興というのは、パチンコやパチスロなどです。その台にアニメが使用されているわけです。

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国内アニメ配信市場の推移をみると、伸びています。動画配信です。

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結論的には、映画・アニメ業界についていうと、映画市場は成熟です。投資するなら海外の映画市場でしょう。アニメ市場は海外中心に成長しているので、海外にアニメコンテンツを輸出している、配信している会社、卸や取次をしている会社などが魅力的です。

業界地図をみると、映画会社では東宝、東映、松竹がまずあります。制作会社では、カドカワ、アメリカでは、ワーナー、ソニーピクチャーズ、ディズニー、21世紀フォックスなどがあります。アニメでは、東映アニメ、IGポート、非上場ではスタジオジブリです。映画館では、東映レクリエーション、東京テアトルなどがあります。

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