長期投資家のためのIR情報
バリュートレンド

学習塾業界研究


学習塾業界についてです。

学習塾のターゲットは、小・中・高でしょう。10歳~18歳くらいが多いと考えられます。層別人口の推移をみると、1980年前後にターゲット層が2700万人くらいいたのが、今では1700万人ほどです。1000万人減です。そして、2018年頃からまた急激に下がるようです。学習塾もそうですが、大学も相当厳しい環境に置かれるでしょう。

juku2.jpg (87 KB)

学習塾の売上高のグラフを見てみましょう。

juku4.jpg (103 KB)

2008年が9611億円でしたが、2014年では9362億円で、意外なことに横ばいです。少子化の影響で、一人にかける教育費が増加していることが背景にあります。1つの事業所当たりの売上高をみると、約2000万円弱となっています。ここから、個々の塾は小規模なものが多いといえます。

学習塾の受講生数の推移をみると、受講生は増えています。利用率が増えているので、市場規模は縮小していません。

juku5.jpg (98 KB)

学習塾のタイプをみましょう。進学塾や受験塾、補習塾の中で、近年では補習塾が伸びています。この代表が明光義塾です。集団指導型と個別指導型では、個別指導が伸びています。背景には、女性の社会進出、核家族化、少子化などがあるのではないでしょうか。所得は増え、一人の子供にかけられる教育費は増えているからです。社会の構造変化が、学習塾に追い風となっているといえます。

受験予備校というものもあります。駿台予備校、河合塾、代々木ゼミナールなどがありますが、大教室型から個別指導型へとシフトしてきています。

補助学習費とは、学習費や家庭教師、通信添削、参考書購入などにかかる学習費です。この補助学習費の推移をみると、公立では、横ばいです。

juku6.jpg (95 KB)

中学で少し増えています。しかし、その中から学習塾費の推移だけをピックアップすると、伸びているのがわかります。学習塾にかけるお金が増えています。私立に関してもほぼ同じ傾向です。

通信教育市場をみると、ベネッセがシェア1位です。

juku7.jpg (74 KB)

個別指導では、明光ネットワークジャパン、東京個別指導学院があります。社会人教育では、TACです。その他では上場していませんが、公文があります。

juku8.jpg (194 KB)

中高受験では、市進ホールディングス、早稲田アカデミー、秀英予備校、進学会、ステップなど。大学受験ではナガセや京進などもあります。乱立です。

juku9.jpg (215 KB)

業界の特徴をまとめると、6~18歳人口は減少傾向で、特に今後減少ピッチが速くなります。しかし、学習塾に使う金額は上昇しているので市場規模は横ばいかやや成長ですが、今後は縮小していくでしょう。業界としては、学習塾は教育費なので景気循環の影響を受けにくくディフェンシブです。顧客は定期的に入れ替わります。受験が終われば終了です。ですので、常にシェアを維持・増大するために積極的な広告宣伝が必要です。1度入ってくれればストック的な性格もありますが、基本数年で入れ替わります。3年しばりです。そして、労働集約的で指導者も入れ替わります。講師の8割がパート、アルバイトなので、供給面でも人的確保が難しいです。

戦略としては、多角化があります。ベネッセは介護や英会話に多角化しています。または、同業の中でM&Aにより規模を拡大していく戦略です。学研やナガセ、増進会などがあります。または、海外に展開する方法で、公文やベネッセは海外を攻めています。

明光ネットワークは塾のフランチャイズです。塾の看板と、生徒管理や成績管理、授業運用管理などの仕組みを提供します。初期費用1000万円ほどでできるようです。

東京個別指導学院は親会社はベネッセです。直営方式です。

 

 

 

 

 

関連するガイドはありません
ページトップへ戻る