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介護業界研究


介護業界についてです。

介護業界はサービス業に分類されます。主な企業はニチイ学館です。

介護業界は拡大しています。介護保険給付費のグラフをみましょう。

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介護保険給付費は2000年から始まった事業です。2002年3.2兆円であったのが、2012年には7.7兆円になっています。介護を受ける人の人数も増加しています。成長産業です。厚生労働省の予測では介護給付費額は2012年8.4兆円であるのが、2015年には10.5兆円、2020年には14.9兆円、2025年には19.8兆円になるとされています。

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マーケットが今後2倍に増えていくと予想されます。今は成長産業ですが、老年人口がピークアウトすれば、成熟産業へと推移していきます。

介護保険給付費は、40歳以上の国民の給料から天引きされています。給付費の半分は国民の支払う保険料から、残り半分は公費ということで国や地方自治体が負担しています。その先、就労人口が減っていくので、保険料をどうやって賄っていくのかは課題です。

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介護業界はいくつかの分野に分かれています。

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ニチイ学館は総合的な企業です。訪問介護や通所介護中心の企業としては、ツクイ、セントケア、ロングライフなどがあります。有料老人ホームをやっているのはベネッセやワタミなど大資本の会社です。その他、介護用品としてパラマウントベッドホールディングスなどがあり、意外と儲かっています。

通所は、利用者を施設に集めるもので、デイケアと言われるものです。訪問は、事業者が要介護者の家を訪問してサービスを行うものです。この2つは簡易な施設で良いので設備投資は少なくてすみます。それに比べて、施設や特定施設は、大きな施設が必要なので設備投資が大きく、装置産業といえます。

介護業界のビジネスモデルです。

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介護事業者の売上としては、介護保険料と公費から出る介護保険給付費(9割)、利用者の介護保険(1割負担)、保険外負担があります。介護保険制度から9割が充当されているわけです。基本的に規制産業です。国により公定価格で守られているビジネスです。そして労働集約的なビジネスなので病院などと似たビジネスです。介護報酬は3年ごとに改定が行われます。現在は、通所施設の方が介護報酬が有利に設定されていますが、改定により通所施設の報酬が下がります。介護事業主が大きく儲けているようであれば、介護報酬を下げて利幅を下げるように改定が行われるわけです。日本の財政が非常に厳しいという背景があります。つまり、企業を生かさず殺さずのような形で、うまく介護報酬が厚労省などによって調整されています。介護企業が儲け過ぎず、かといって淘汰されるほど報酬が少なくならないように調整されているわけです。

ニチイ学館は医療事務受託の最大手でしたが、介護事業にも展開しました。コムスンの授受で業界首位となりました。

介護業界は、成長産業でディフェンシブです。価格が統制されているというのが重要なポイントです。

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