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広告業界研究


広告業界についてです。

広告業界はサービス業に属しています。トップ企業は電通、第2位は博報堂です。

広告産業は、リーマンショック前には7兆円ほどいき、今はまた6兆円程度で推移しています。

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規模の大きな業界といえます。GDPの1%超の産業です。循環業界ですが、驚くほど循環というわけではありません。

広告費の内訳をみると、4大媒体というテレビ・ラジオ・雑誌・新聞が減ってきており、インターネット広告が増えてきています。

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新聞・雑誌広告の減少は顕著です。衛星メディアは、衛星放送やケーブルテレビの広告などです。プロモーションメディアというのは、街中の看板や公共交通機関などに貼っている広告などです。

業界地図をみると、電通でシェアは3割強ほどです。博報堂で15%ほどです。

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電通が驚異的に強いことがわかります。世界1位はwppグループです。電通はイージスという海外企業を買収して海外に進出していっています。

広告業界は、小売業が消費者に商品を買ってもらうためには、必ず利用しなければならないものです。バフェットでいうところの有料ブリッジです。手堅いビジネスです。

ビジネスモデルをみると、広告会社の収入源は媒体収入と制作収入があります。

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メインは媒体収入です。2012年の広告主1位はソニー、2位はトヨタ、3位本田、5位セブン、6位イオン、7位パナソニックとなっています。広告を出したい企業(広告主)は、広告会社を通してしかメディア会社(テレビや新聞などの媒体社)に広告を出してもらうことができません。広告会社を通すことで、広告料の10%~20%などが、広告会社に入るわけです。媒体社の数と広告主の数を比べれば、広告主の数の方が圧倒的に多いです。ですので、広告会社が間をとりもたないと、媒体社では広告主からの依頼をさばききれないわけです。ですので、交通整理役として、広告会社が必要なのです。また、広告会社には、効果的な広告の打ち方を提案する企画という役割もあります。

海外では広告会社は1業種からは1社しか広告を作製できないという決まりがありますが、日本ではありません。電通が同じ自動車会社のトヨタのCMも本田のCMも作ることができます。

広告会社が有料ブリッジとなっているので、安定的なビジネスとなっています。また、テレビなどでは、半年間何曜日の何時から何時までの枠を電通で買い取るという制度もあります。買い取った枠については、電通がどこの広告を流すか決定できます。そのような制度もあり、ますます広告会社の力が強くなります。

伝統的な広告会社にとっての脅威はネット広告です。ネット広告は、媒体社と広告主が広告会社を通さずに結びつく形です。もちろん広告会社を通す場合もありますが、基本は、通さず広告を出すことができます。既得権益を崩すような勢力です。

広告業界は国内は衰退産業です。景気循環とディフェンシブの間くらいでしょうか。海外では成長産業なので、広告会社は海外に出ていこうとしています。海外に進出する日本企業とともにその広告を海外で打つことで、海外での業績を伸ばしていく可能性は大いにあるでしょう。日本企業の活躍を背景に売上は伸ばしていけるのではないかと考えられます。

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