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スーパー業界研究


スーパー業界についてです。

スーパーは小売業に分類されます。スーパー業界の業界規模は、高度成長期に伸びた後、1994年頃ピークアウトし、人口減少を背景に減少を続けています。成熟衰退サイクルに入っているといえます。

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業界トップはイオンです。イオングループの傘下にマルナカやダイエー、マックスバリューなどがあります。

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イオンの次の存在は、セブン・アイホールディングスです。もともとはイトーヨーカドーです。その中からコンビニのセブンイレブンが生まれました。

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その他は、ユニやイズミヤ、ライフ、成城石井、平和堂、ヤオコーなどがあります。海外ではウォールマート、コストコなどが強いです。

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スーパーのビジネスモデルを見てみましょう。

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戦後はメーカーから問屋が仕入れたものを小売業が仕入れ、それを消費者が買っていました。それが高度成長期に流通革命が起こりました。高度成長期でみんなにお金の余裕ができてきたわけです。すると、小売業に変化が起きました。町の八百屋さん、魚屋さんしかなかったところへ、スーパーが登場しました。スーパーの特徴としては、大量に仕入れることで安く仕入れ、安く売ることができることです。また、一つの店舗で色々な物が揃います。消費者が同一のものを大量消費した時代です。しかし、そのような時代も終わりました。バブル後、生産人口が減少し老年人口が増えてきました。そこで起こったことが、デフレです。海外から安い品物も入ってくるようになりました。消費者にとっては、安い物が手に入る嬉しいことですが、国内メーカーにとっては、苦しい時代です。海外メーカーに取って代わられた時代です。そうこうするうちに、IT革命が起こりました。ネットでの消費が増えてきています。最近では、多様な商品を少量消費する時代になってきています。

老年人口が増え、お金がある人々が国内に増えています。自分なりの価値観が形成されている人々が増えています。そうすると、少し高くても自分が満足できるものを求める人が増えているわけです。スーパーは、どちらかというと高度成長期のような、価値観が形成されていない時期にうけるビジネスモデルでした。今は時代が変化したわけです。ですので、私の見解では、総合スーパーは今後ますます厳しい状況になってくるのではないかと思います。

GMSは規模の利益で安くてなんでも揃っています。これは、若いファミリー向けでしょう。イメージは高度成長期です。近所のスーパーは老年者や主婦向けです。こちらの方が今の時代にはマッチしていると思われます。

小売業について比べてみましょう。

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スーパーは食料品がメインで、客層は老年の方や主婦です。所在地は1キロ圏内くらいでしょうか。大きさは中規模です。GMSは総合的に商品を揃えており、ターゲットはファミリーです。所在地は郊外で商圏は10キロほど、規模は巨大です。百貨店は、衣類や高価な物を揃えており、富裕層がターゲットです。都市部にあり、商圏は30キロほどです。コンビニは日用品を揃え、ターゲットはあらゆる人でしょう。商圏はとても狭いです。GMSは生産人口向けなので、これから下火になっていくでしょう。地域のスーパーは老年人口向けです。投資対象として、GMSなどは魅力が少ないと言えます。

大量消費の時代が終わり、車に乗って郊外のショッピングモールに家族連れで買い物に行く人口は減ってきています。現在では、老年人口の増加により、地域密着型の店舗で画一的でなく多様な商品を求める時代になっているわけです。GMSの苦戦は時代の変化を象徴しています。

日本の小売業はディフェンシブで衰退サイクルに入っています。これからのスーパーで生き残っていくのは、地域密着で、老年人口をターゲットにしており、高付加価値や安さなど他と差別化している店ではないでしょうか。また、コンビニも多様化してくるかもしれません。

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