コンビニ業界研究
コンビニ業界についてです。
小売業界の市場規模とコンビニ販売額のグラフをみると、小売全体の販売額は増加していないのに、コンビニの販売額が増えているため、スーパーや百貨店からコンビニにシェアが移ってきていると分かります。
コンビニは、ターゲットとなる客層を広げ、ATMや公共料金の支払い、コーヒーやドーナツの販売などサービスも拡充することで売上を伸ばしています。コンビニは進化しているわけです。
コンビニ売上高の推移をみると、4大コンビニの寡占化が進んでいます。
大規模の方が収益を上げやすいビジネスといえます。コンビニのドミナント戦略について説明します。同じエリアに5店舗あるAチェーンと1店舗しかないB店では、Aの方がコスト競争力があります。これは、A店の方が商品を大量に仕入れることができるので、仕入れコストが下がるため、そして、配送を効率的に行うことができるためです。ですので、店舗の多いチェーン店の方が強いわけです。ユーザー目線で考えても、近くにある店舗、多く目にするので安心感がある店舗を利用するでしょう。そのため、コンビニは、特定の地域に多くの店舗を一気に展開することが必勝法と考えられています。このドミナント戦略を徹底したのがセブンイレブンでした。
業界地図をみると、セブンの売上は約4兆円、ローソン、ファミマは約2兆円となっています。そしてコンビニの後ろには商社がついています。セブンでは、三井物産、ローソンには三菱商事、ファミマには伊藤忠商事です。三井物産はシェア1.8%ですが、伊藤忠では37.6%のシェアを持っています。三菱商事は33.4%です。ローソンやファミマは商社の色合いが濃いということが言えます。
海外店舗数をみると、セブンイレブンは積極的に海外展開しています。セブンは海外売上高を33%となっています。ファミマは13%、ローソンはほぼゼロです。
セブンアイホールディングスなどは、FCオーナーから収益を上げています。
コンビニでは、平均すると70円で仕入れたものを100円で売っています。平均客数は1日1000人、客単価は600円です。日販は60万円です。そのうち30%の18万円が店舗の収益です。そこから、ロイヤリティが約43%ですので、77400円は本部に取られます。そのため、店長に残るのは102600円ということになります。そこから、人件費や光熱費などを払うわけです。なかなか厳しいビジネスです。
毎日の売上は本部に入るため、本部にとってはとても資金繰りのよいビジネスと言えます。
ドミナント戦略は各店舗の店長からすれば、潰しあいのようなシステムです。コンビニの負の側面といえます。
1店舗当たりの売上高をみると、セブンが一番高くなっています。平均客単価もセブンが勝っています。
コンビニ経営者にとっては、厳しい状況でも、やはり本部から仕入れをします。これは、ブランドによる集客力や仕入れ力、配送システム、店舗設備、経営指導、POSシステムなど様々なシステムを提供してくれるからです。このようなメリットがあるため、コンビニ経営をしようとするオーナーがいるわけです。
コンビニは投資対象としては、とても魅力的な業界といえます。