ファーストフード業界研究
ファーストフード業界についです。
外食産業の市場規模は、バブル期がピークでその後減少し、横ばいです。
家計消費における調理食品・外食支出額構成比をみると、生鮮食品が減っていますが、外食費は横ばいです。加工品など中食が増えています。
ファーストフード店の売上は2011年頃まで伸びていましたが、この後落ち込んでいます。
業界地図をみると、洋風ファーストフードでは、マクドナルドが圧倒的です。和風では、吉野家や壱番屋などがあります。
マクドナルドの有価証券報告書の中にFC契約の内容があります。それによると、日本マクドナルドは海外展開できませんし、米国マクドナルドがFC契約を切ってしまうと、そこで終わりです。それに対し、モスはFC元です。モスは業績はあまり伸びていません。海外展開も物足りません。自己資本比率が非常に高く、保守的な経営ということが伺えます。これが、海外展開を積極的に行うなどの舵を切るなどすると、大きく成長する可能性はあります。
マクドナルドとモスの売上高の推移は次のようになっています。
マクドナルドとモスのビジネスモデルの違いをみてみます。
マクドナルドは、直営店が減っており、FC店が増えていますが、直営店が約30%ほどあります。一方モスはほどんどがFC店で直営は約4%です。同じファーストフード業界でもビジネスモデルは全く違います。
CVPモデルをみると、マクドナルドのような、直営モデルでは、固定費が大きくなかなか黒字になりません。しかし、一旦損益分岐点を越えると大きく利益が増加します。
モスのフランチャイズモデルでは、固定費が少なく変動費割合が高く、利幅が非常に薄い構造です。売上が少なくても黒字になりますが、利幅が少ないため、売上が増加してもそれほど利益が増えません。
売上が伸びているときは、マクドナルドが圧勝しますが、売上が一たび落ち込むと大負けしてしまいます。モスは堅実なモデルです。
ファーストフード業界は国内では、ディフェンシブで成熟から衰退の業界、海外では成長の業界だといえます。