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ドラッグストア業界研究


ドラッグストア業界についてです。

ドラッグストアとは、総務省の定義によると医薬品や化粧品を中心とした健康及び美容に関する商品を中心として、セルフサービス方式で小売りする事業所のことです。医薬品・化粧品の売り上げ構成比が30%以上であり、その他にも衛生用品や日用品なども取り扱っています。ドラッグストアの売上高と店舗数の推移をみると、増えています。町の薬局や化粧品専門店が減って、ドラッグストアが増えました。

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ドラッグストアのカテゴリー別売上構成比をみると、薬の売上は3割、化粧品は2割ほどです。

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ウェルシアの品目別の粗利率を参考にみると、医薬品と調剤の利益率が高くなっています。これらが収益源といえます。

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なぜ医薬品や調剤が利益率が高いかというと、それは規制があるため、価格競争が起こりにくいからでしょう。

様々な薬等は、我々の健康を守るために、医薬品と医薬部外品とに分けられています。医薬品の中でも、医療用医薬品とOTC医薬品とに分かれます。医療用医薬品はお医者さんに行って処方箋をもらってもらう薬です。

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ドラッグストアで扱うのはOTC医薬品(大衆医薬品)です。OTC医薬品は、第1類と第2類、第3類に分けられます。第1類は、効果が強いものです。第3類の方が弱いです。第1類の医薬品は薬剤師が販売しなければいけません。第2類、第3類は登録販売者でも販売が可能です。第1類医薬品としては、ガスター10、ロキソニンなどがあります。第2類はバファリンや葛根湯などです。第3類はアリナミンなどです。このように販売に規制があるため、新規参入がしにくく、収益性が高く保たれているのです。

薬剤師は、薬学部で6年学び、国家試験を受けて資格を得ます。薬剤師の人数は規制により制限されています。そのため、薬剤師の人数が不足しています。そこで、第2類、第3類の医薬品を販売できる登録販売者という資格ができました。登録販売者は実務経験1年と試験とでなることができます。

医薬部外品は人に対する作用が緩やかなものです。リポビタンDなどです。

薬価改定やジェネリックの増加により医療費の増加ほどには増えていませんが、医療用医薬品市場は増加しています。

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一方で、一般用医薬品市場は横ばいです。しかし、ドラッグストアの売上は伸びています。これは、一般用医薬品以外の食品、日用品や調剤部門の売上が増えたこと、町の薬局からのシェア変動によるところと思われます。

今よりもドラッグストアの売上を伸ばすためには、一般用医薬品以外の部門を伸ばすしかありません。自社の人材(薬剤師)を活かせ、収益性も高いという意味では調剤部門を伸ばすのがよいのではと考えられます。ウェルシアでは、調剤薬局の併設を進めています。

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小売業の中で規制により守られているため、高収益になっているのはドラッグストアだけです。ここが他の小売業態とは違います。業界をみると、マツモトキヨシが1位でしたがウェルシアがすごい勢いで追い上げ、追い越しました。そして、2位がツルハ、3位がマツモトキヨシです。どんどんM&Aが起こってきています。

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M&Aをし、規模が大きくなるメリットは、仕入れが安くなることと、人材の確保があるでしょう。

ドラッグストア業界の特徴をまとめると、第1に規制産業であることです。参入障壁があります。一般医薬品の市場は拡大していませんが、収益性は高いです。薬で儲かるため、食料品や日用品を安く設定することもできます。調剤医療費が増加していることも業界の特徴です。

 

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