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住宅設備業界研究


住宅設備業界についてです。

住宅投資とGDP比の推移グラフをみると、住宅投資は減少しているといっても、15兆円ほどあり、大きな産業であることがわかります。住宅設備の市場としては3.3兆円あり非常に裾野の広い産業といえます。

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キッチンの住宅設備企業というとLIXIL・タカラスタンダード・クリナップなどがあります。衛生陶器やバスルームで有名なのはTOTO、LIXIL、パナソニックがあります。給湯器としては、リンナイ・ノーリツ、サッシ・ガラスではLIXIL、YKK、三協立山、不二サッシがあります。シャッターとしては、三和ホールディングス、文化シャッター、東洋シャッターがあります。総合住宅会社としてはLIXILがあり、個々の分野ごとにはいろいろな企業がひしめき合っているのが現状です。どの会社も売上高も大きく、人材もそろっているので、海外にも打って出れる企業が多いです。

新設住宅着工戸数は減ってきています。

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住宅ストック数と世帯数の推移をみると、ストックが6060万戸で総世帯数が5250万世帯なので、約16%ストックの方が多くなっています。

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供給過剰です。そのような意味でも、国内の住宅市場はこの先も弱含みであり、住宅設備も弱含みであるといえます。住宅の戸数という観点から行くと、国内では住宅設備関連は有望ではなさそうです。

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トイレの温水洗浄便座の普及率は現在80%になっています。ですので、国内で温水洗浄便座の需要はもはやほぼないといえます。洗面化粧台やシステムキッチンも非常に高い普及率なので、国内ではなかなか成長が厳しい状況といえます。海外にいける企業ならば、成長が見込めるけれど、国内だけの企業はダメということです。

キッチン出荷台数やシステムバス等の出荷台数を見ると、横ばいです。

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景気循環でもあります。給湯器については、他の住宅設備と違って、割と増えています。交換需要があるためと思われます。

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住宅リフォームの市場規模の推移をみると、やや増加トレンドで規模は5兆円~6兆円ほどもあります。

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近年ではバリアフリー化などのリフォームもあります。リフォームやリノベーションに力を入れている企業も投資対象としては面白いかもしれません。

TOTOの海外売上高をみると、伸びています。リンナイも伸びています。ですので、海外展開をしている企業は注目です。

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住宅設備業界をまとめると、新築戸数とリフォーム件数と相関性があります。国内においては、住宅ストックが総世帯数を越えているので、新築戸数は弱含みです。ただ、既存住宅の老朽化や高齢化により、リフォーム件数は循環しながらもやや伸びています。リフォーム・リノベーション狙いはありです。また、巨大産業で裾野が広いということも忘れてはいけません。そして、国内市場は成熟なので、海外市場で通用する製品を扱う企業に注目するべきでしょう。

LIXILは海外でのM&Aがあまりうまくいっていないので、あまり面白みがありません。海外売上割合は45%、営業利益率はマイナス0.88%です。TOTOは、海外売上割合が23%で利益率は6.9%です。リンナイは海外売上割合49%、利益率は8.9%です。ノーリツは海外売上28%、利益率は2.3%です。リンナイはアジアとアメリカ中心です。三和ホールディングスは海外売上46%、利益率は7.7%です。三協立山は海外売上16%、利益率は0.5%です。

住宅設備なら、強い製品をもっていて海外展開している企業が投資対象です。TOTOのトイレ、リンナイの給湯器、三和のシャッターなどです。この辺りが注目企業でしょう。

 

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