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漁業・水産業界研究


漁業・水産業界についてです。

世界の漁業・養殖業の生産量の推移です。

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1960年から現在までのグラフになっています。1990年からの30年ほどで倍になっています。水色の部分は漁船で天然の魚を釣る方はほぼ横ばいですが、オレンジの養殖の方は伸びています。漁業・養殖業は養殖業が伸びているということです。

世界の養殖業の生産量の推移のグラフを見ると、中国やインドネシアが伸びています。他の国でも伸びていて成長ビジネスだということがわかります。

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養殖の漁獲量の増加の背景には、世界の人口増加と一人当たりGDPの増加があります。健康志向ということもあるでしょう。この養殖業の漁獲量の増加というトレンドは今後も続くでしょう。

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国内の食用魚介類の自給率ほかのグラフを見てみましょう。

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このグラフから、日本人の魚介類の消費量が減り、食生活が肉食に変化してきていることがわかります。昔は魚の自給率は100%を超えていましたが、今では、55%くらいまで下がっています。国内に関していうと魚の消費量はちょうどバブルの頃くらいから減少傾向にあります。背景の一つは、食生活の欧米化で、もう一つは人口減が挙げられます。国内に関しては、漁業・養殖業の将来は明るくないといえます。

1世帯当たりの魚介類購入量・支出金額をみると、2007年から2017年で、年間でいうと購入量は38.4キロから23.5キロに、支出金額も5万5千円から4万1500円に減ってきています。やはり魚より肉に変わってきています。

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水産物の輸入相手国としては、中国が多く、アメリカやチリも多くなっています。輸入品目としては、サケマス類、マグロ類、エビなどです。水産物の輸出相手国としては中国、香港、アメリカなどで、品目としてはホタテ・真珠・サバが多くなっています。

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冷凍食品の消費量は伸びています。

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水産大手としては、マルハニチロ・日本水産・極洋などがあります。結構売り上げの大きなビジネスです。水産卸売りでは、OUG・大水・大都魚類などです。これらの企業をみると、卸売りは非常に利益率が低いです。卸売りを通さないビジネスも広がってきており、卸は非常に厳しい状況です。水産小売りとしては、魚力・魚喜などもあります。日東製網という網の企業などもあります。NASAに宇宙ゴミを捕まえる網を提供していたり、おもしろい会社です。

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漁業・水産業に投資をするなら、輸出などのある水産大手に投資をするのが選択肢の一つかと思います。国内しかビジネスのない、卸や小売りは選択肢としてはないかなという感じです。

漁業・水産業の特徴としては、世界的に需要は増加しています。そしてディフェンシブな業界と言えます。国内・世界ともに、漁業は横ばいですが、養殖が増加しています。国内に関しては、人口減と食の嗜好の変化により需要は減少しています。そのことから、国内にビジネスが限定されている卸や小売りは伸びないでしょう。投資するなら水産大手です。養殖の関連ビジネスも熱いと言えます。

漁業関連の企業をみると、水産大手も卸も小売りも利益率が低いです。自己資本比率も低い企業が多いです。

養殖ビジネスに関連している企業に注目していると投資のチャンスがあるかもしれません。

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