長期投資家のためのIR情報
バリュートレンド

携帯電話キャリア業界研究


携帯電話キャリア業界についてです。

携帯電話キャリア業界は情報通信業界に含まれています。固定電話ではNTTが強力で、携帯電話キャリアではソフトバンクやドコモなどが寡占状態です。国内の電気通信事業の売上高は13~14兆円くらいです。

keitaikyaria1.jpg (92 KB)

電気通信事業者の売り上げとしては、固定電話が減っており移動通信が増えているというのが、大きなトレンドです。

keitaikyaria2.jpg (111 KB)

サービス内容としては、通話の売上割合が減って、データ通信が増えています。スマホが登場してからは、通話よりデータ通信が中心となってきたといえます。

keitaikyaria3.jpg (115 KB)

携帯電話の利用者の推移は、国内では増えています。アメリカでも増えており、通信業界全体でも利用者は増えています。

keitaikyaria4.jpg (120 KB)

keitaikyaria5.jpg (151 KB)

国内の業界では、ドコモ、ソフトバンク、KDDIの寡占です。アメリカでは、ベライゾン、AT&T、スプリントなどで競争が起こっています。非常に規模の大きな業界です。

業界の動向としては、MVNOの動向が非常に大きなインパクトを持っています。MVNOのは、ドコモなどの回線を借りて、通信サービスを提供する事業者です。非常に格安で通信サービスを消費者に提供しています。通信インフラを整えるには莫大な費用がかかります。このインフラをドコモなどから借りるため、設備投資に費用をかけなくてよいこと、サービスの機能内容を制限することなどで、格安でのサービス提供が可能となっています。この格安サービスをしている会社としては、日本通信やインターネットイニシアティブなどがあります。

最近、ドコモやソフトバンクの通信料が高いことが問題となっています。この通信料の原価をみてみると、実際の通信にかかる費用も入っていますが、端末料金も実質含まれているのではないかということが問題となっているわけです。端末料金が通信料の中に含まれていると、消費者にとってフェアではありません。端末料金が携帯端末販売会社の販売奨励金として流れていっていることが問題視されています。MVNOには、売価に端末料金が含まれておらず、通信料金のみなので安いわけです。ですので、今起こっている、携帯電話の通信料を値下げするべきという方針は、MVNOにとっては追い風です。

もう一つの業界の動向としては、固定と携帯のセット割です。これは、大手の会社にとっては有利です。固定電話と携帯電話をセットで契約してくれたら安くします、あるいは電気料金もセットに、など大手ならではの価格戦略も始まっています。今、業界は、MVNOなどの低価格路線と、ドコモ等の大手ならではの戦略とで競争が激化している状態です。

携帯キャリアビジネスの特徴の一つは現金商売だということです。毎月料金を徴収できるというビジネスモデルです。もう一つは装置産業だということです。

携帯キャリア企業の営業利益率はどこも非常に高いです。装置産業として守られているからでしょう。MVNO企業が台頭して、この利益率が少し下がることはあるでしょうが、やはり既存の大手キャリアは強いでしょう。そもそも音声通信事業は大手キャリアが強いですし、MVNO企業は結局は大手の通信回線を借りているので、いざとなれば大手は賃料を上げてしまえばすむことでやはり大手が強いです。

 

関連するガイドはありません
ページトップへ戻る