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化粧品・トイレタリー業界研究


 

化粧品・トイレタリー業界についてです。

化粧品・トイレタリーは業種としては化学に分類されます。

化粧品・トイレタリーは国内は成熟産業、海外では成長産業です。

国内の化粧品マーケット規模は1.4兆円ほどで大きな市場です。ただ国内は横ばいです。

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ですので、化粧品・トイレタリー業界の中で、国内だけでビジネスをしている企業は長期でみると投資対象外といえます。長きにわたって成長するのは海外でビジネスをやっている企業です。

では、マクロ的な視点からみてみましょう。世界の人口の現状と将来の予想グラフです。

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ここから、化粧品・トイレタリー市場は世界的に見れば間違いなく成長する産業であると予想できます。

次は、新興国の所得層別人口推移のグラフです。新興国と先進国との境目は一人当たりのGDP が1万ドルを超えるかどうかで分けられます。要するに1ドル100円とすれば年収100万円、その国の人の平均年収が100万円を超えているかどうかということです。そして、このグラフは新興国、平均年収が100万円を超えない国々について注目しています。それぞれの新興国の中で、低所得者、つまり年間所得が5000ドル以下、次に下位中間層、 年間所得が5000ドルから1万5000ドル、次に上位中間層は年収が1万5000ドル以上(150万円以上)、富裕層は年収3万5000ドル以上(350万円以上)、と所得層別に分けて、その推移をグラフにしているものです。

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このグラフから新興国の人たちが豊かになっている、中間層の人口が増えていることが分かります。中間層が増えれば、日用品がどんどん売れていきます。

ですので、世界の人口はもちろん増えているのですが、それ以上に、今までは買えなかった化粧品を買える、買えなかった洗剤を使おうという人々がどんどん増えているわけです。

人口増加よりはるかに急ピッチでマーケットは拡大しているのです。ゴールドラッシュです。

同じようにゴールドラッシュの業界としては、食品、飲料、農薬なども当てはまります。

 

トイレタリーや日用品には明確な分類はあまりないのですが、便宜的にカテゴリーを分けてみます。トイレタリーとしては、ヘアケア製品、洗顔・ボディ用洗浄料、日用品として衣類用洗剤、台所用洗剤、サニタリー用品として生理用品や紙おむつと分けました。

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この中で特に市場規模が大きいのは、ヘアケア製品や洗顔・ボディ用洗浄料、衣類用洗剤、台所用洗剤がとても大きくなっています。これらの共通点は、毎日使うことです。そして使ったらなくなるということです。また、生理用品・紙おむつも非常に大きなマーケットとなっています。

 

これらの製品を世界で増加している人口の人達が使っているのです。しかも中間層が増えて、消費は更に増えています。高齢化が進む先進国では、おむつを履く老年人口が増え、市場が拡大していきます。

 

国内で代表的な企業としては、花王です。他の国内企業と比べると規模が段違いに大きいです。1兆円企業です。オーラルに強いライオンも上がってきています。そしておむつのユニチャームです。

ヘアケア・ボディケアではマンダム、化粧品では資生堂などの企業が挙げられます。世界では、P&Gが巨大企業です。他には、ユニリーバ、ロレアルなどがあります。海外企業の収益率はすさまじいものがあります。

化粧品にも様々な企業がありますが、やはり長期で見るならば海外で戦っている企業が伸びると考えられます。長いスパンでみると、国内だけではやはり厳しいです。

まとめると、人口が増えそれ以上に中間層の人口が増えているので、化粧品・トイレタリーの市場は確実に拡大していきます。また、毎日使い、使ったらなくなる商品なので非常に魅力的な業界だといえます。

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