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建設業界研究


建設業界についてです。

建設業界は、業界の特性としては景気循環型で、業種係数は24となっています。

アクションラーニングでは大きく6つの分類にしています。

ガス工事、戸建住宅、ゼネコン、鉄道工事、エンジニアリング、その他ということで、建設業界は6つに分類していますが、一番特徴的なのはゼネコンとエンジニアリングです。

ゼネコンの業界は、大きくスーパーゼネコンという会社とそれより小さな準大手ゼネコンとに分けられます。

スーパーゼネコンは1兆円を超える売り上げの会社だといえます。

大成建設、鹿島、大林組、清水建設、竹中工務店が挙げられます。

この5社をイメージしながら解説していきます。

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では、建設統計を見てみましょう。

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企業あるいは政府の建設投資とは、例えばビルを建てるとか橋を作るとかいうものをイメージしますが、民間の建設投資というと建築、政府の建設投資は土木と言われています。

民間の建築というと、戸建て住宅やマンション、ビル、例えばランドマークタワーやガーデンプレイス、空港などの建築が挙げられます。一方政府の土木というと、ダムや道路、発電所、トンネル、地下鉄などになります。

業界の規模はグラフを見るとわかるように縮小しています。1995年頃80兆円近くあったものが徐々に減少してきて、リーマンショックの頃には40兆円近くまで下がりました。その後、少し盛り返してきているけれども、50兆円に届かない水準にあります。

日本のGDPが500兆円ぐらいですので、そのうち10%ほどのスケールがあり、業界としては大きい業界ですが、衰退成熟から衰退に差し掛かっているような業界の動向であるといえます。

 

 

建設業界のビジネスモデルとは、まずスーパーゼネコンが仕事を取ってきます。

例えばスーパーゼネコンが空き地を見つけてきて、地主にここにマンションを建てませんかなど提案します。

ゼネコンが情報を集めてきて受注するわけです。

ゼネコンには企画営業をする人と現場監督をする人とがいます。

そして、そのゼネコンの下に数多くの下請け会社が連なっているのです。

工事の種類別に基礎の1次下請け、2次下請け、躯体の1次、2次、設備の1次、2次などがあるわけです。

ゼネコンを頂点としたすごく大きなピラミッドとなっているのです。

ゼネコン側にしてみれば、工事が決まった時に、下請けの人が確保できなければ困ります。逆に下請け会社は、ゼネコンがある程度仕事を定期的に発注してくれないと困ります。

ですので、ゼネコンの下に共栄会というような、ゼネコンがを工事を受注したときにはみんなで仕事を一緒に協力してやろうという集まりがあるわけです。

この中で基本的には仕事を回し合っていくわけです。時にはすごくおいしい仕事もあるし、時には赤字覚悟の非常に厳しい仕事もあるけれど、一心同体というか運命共同体として頑張っているわけです。

 

ゼネコンの動きを具体的に説明すると、まず、空き地や古くなったビルなどを見つけてきます。

象徴的なものでいうと、大成建設の手掛けている赤坂プリンスホテルです。

その古いビルを建て替えませんか、とゼネコンが企画提案します。

大きな案件であれば、コンペになります。

企画提案後、設計し、落札できれば契約に至ります。その後施工に入り、完成、引き渡しとなります。

このビジネスフローの中で、契約、施工というところが、建設業の難しいところと言えます。

企画提案の段階で、原価を見積り、それをもとに提案の金額を決定します。しかし、その見積りで落札して、施工を始めてから、不測の事態がおき、見積金額よりコストがかかり赤字となることもあります。この赤字額の累計が貸借対照表にある工事損失引当金です。

ですので、建設会社で利益を出すために非常に重要となってくるのが、見積もりの部分です。

つまり、企画提案から設計していく部分と施工の部分でミスをしないということが非常に大切になってきます。

けれど、実際には、ミスや事故もあり、そういうこともあり建設業界は利益率が非常に低い業界です。

ですので、少しのミスで会社が赤字になってしまうという、緻密な事業といえます。しかも、衰退産業で、競争が激しい業界であり、少ない利幅であっても工事を落札しようとする業界であったため、利益を出すのが非常に難しい業界でした。

多くの業界では、売上が増加すれば利益は増加します。しかし、建設業界においては、売り上げが増えたかどうかが利益の増加要因ではなく、一個一個の工事でいかにミスを防ぐことができたか、いかに利幅の大きな工事を取ってくることができたかが、利益の増減につながるという特徴があります。また、人件費や材料費の高騰なども無視できない要因となります。

2020年までオリンピック需要もあり、また復興需要などもあり、建設業のマーケットはどんどん拡大していきますが、だからといって、それに比例して利益が増えていくわけではないということがわかります。非常に難しい業界です。

 

国内の建設業界は、景気循環の衰退産業、海外は景気循環の成長産業といえます。日本のスーパーゼネコンは、まだまだ海外売上高比率が低いです。今後は、海外市場へシフトしていくことが必要です。

日本の高い建設技術を海外に持っていき、現地の人々の生活を豊かにするためにスーパーゼネコンが貢献していくことは、非常に意味があることだと思います。ぜひ、海外でも頑張っていってもらいたいものです。

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