石油業界研究
今回は、石油業界についてです。
この業界を代表する企業は、国際石油開発帝石です。
まず、石油ガスの業界ですが、東証の分類でいうと鉱業に分類されます。鉱業に当てはまる企業は数が少ないです。
みなさんがよくご存じのJXTGホールディングス、東燃ゼネラル、昭和シェルなどは石油・石炭製品業種に分類されています。
同じ油関係ですが、企業により分類される業種が異なっています。
今回の、鉱業は、業種係数13倍となっています。係数が低めに設定されている理由としては、景気循環型であることと、国内では既に衰退産業であることが挙げられます。
鉱業に分類される企業としては、国際石油開発帝石(1605)、日本海洋掘削(1606)、関東天然瓦斯開発(1661)、石油資源開発(1662)などがあります。
業界規模として、油の販売量の内訳グラフを示します。
1965年から始まって徐々に増加していき1973年に第一次オイルショックがあり減少しました。
その後盛り返しますが、第二次オイルショックでまた下がります。そして、また徐々に盛り返しましたが、リーマンショックでストンと落ちるというグラフになっています。
平時は安定していますが、何かショックが起こると大きく消費量が減るという特徴があります。
グラフの内訳はガソリン、ナフサ、ジェット燃料、灯油、軽油、重油となっています。
原油がベースでそこから様々な油が出来ているわけですので、今日注目する石油業界に関しては、内訳ではなく、このグラフの全体としての背の高さが問題になってきます。
グラフをみると、景気循環の影響を受けながら全体としては飽和している、あるいはちょっと衰退に入っているように見受けられます。
先ほど石油に関係する会社でも鉱業に分類されている会社と石油・石炭製品に分類されている会社とがあると述べました。
油が海底や地中から出てきてガソリンスタンドに並ぶまでにどのようなことが行われているのか、過程をみてみましょう。まず「開発権の獲得」があります。次に実際にボーリングをして油があるかないか探す「原油の探鉱」、そして油があれば採掘するためのプラントをつくったりするという「開発」、そして油を掘る「生産」というプロセスがあります。ここまでを油の業界では、アップストリーム(上流部門)と呼びます。
そして、出てきた原油を「輸送」し、原油から石油やガソリンなどを「精製」し、それぞれ「石油製品の販売」を行うプロセスをダウンストリーム(下流部門)と呼びます。
基本的にアップストリームに重点がある会社が鉱業、ダウンストリームに重点がある会社が石油・石炭製品の業種に東証では分類されています。
改めて業界地図を見てみると赤色で書いているところがアップストリームの部分です
国際石油開発帝石や石油資源開発などが上流部門の企業です。
それから青色の部分がダウンストリームの会社です。
昭和シェル石油や東燃ゼネラル、出光興産などです。
売上高をみると非常に大きな産業規模になっています。
余談ですが、ウォーレン・バフェットさんが最近エクソンモービルの株を買っていました。
以前、大学の先生にお聞きした話ですが、石油・石炭・天然ガスの中で一番優れているエネルギーかというと、石油であるとその先生に教わりました。
いろいろな観点がありますが、石油や石炭が採れてから実際に使われる場所まで輸送することを考えると、石油が液体であり運搬しやすく効率的なエネルギーであるというお話でした。
さて国際石油帝石が鉱業の代表企業として挙げられます。この企業は、原油価格が上がった時に業績が上がります。また、為替の影響を考えると、円安の時に業績にはやや有利ですが、円安でも円高でもあまり大差はありません。これは、売上の50%が海外売上となっているためです。